JR茨木駅の商業施設は4月1日グランドオープンか


JR茨木駅の商業施設が4月1日にグランドオープンするという情報があることがわかった。慣らし運転のため3月中にプレオープンするが、正式な開業は新年度にあわせることにしたようだ。

すでに判明している店舗の顔ぶれから運営会社はJR西日本の関連会社「ジェイアール西日本デイリーサービスネット」とみられる。施設名は「エキマルシェ茨木」となる可能性がある。

昨年末までに店舗も確定していたようだ。「セブンイレブン ハートイン」(コンビニ)、「麺家」(うどん店)、「DELI CAFE KITCHEN」(ベーカリーカフェ)などがすでに求人情報を公開している。

17日には「ココカラファイン」(ドラッグストア)がindeed(インディード)で求人を始めた。

このほかに「episode」(ファッション雑貨)、「日本旅行」(旅行代理店)とスイーツ催事の出店が有力だ。

「セブンイレブン ハートイン」は24時間営業を実施するとみられ、現状は夜間に閉鎖しているコンコースを24時間開放することになりそうだ。

JR茨木駅周辺では、駅構内の商業施設の開業に対抗する動きもある。昨年には東口の喫茶店「ぶいえいと」が西口に新業態のバルを開店した。駅前で顧客を囲いこむ狙いがあるとみられる。

今年2月には東口のフランス料理店「フォン・ド・タナハシ」もワインバーに業態変更した。駅構内では線路への転落事故などを誘発しかねない酒類をメインに提供する飲食店は営業しづらいことから、差別化を図っているようだ。

また茨木駅前ビルの茨木ショップタウンでは、昨年末から生鮮野菜を販売する「マルシェ」を開業して顧客獲得に乗り出した。

牛丼の「吉野家」が開店し、定食の「やよい軒」が改装するなど、JR西日本の駅構内には出店しない業態の飲食店もJR茨木駅前で事業を強化している。

ヤマト運輸を擁するヤマトホールディングスの巨大物流センター「関西ゲートウェイ」の開業や彩都の開発が進んでいることで、乗降客が増えることも見込んでいるとみられる。

JR西日本は、JR茨木駅西口の再開発では協定広場部分に商業ビルを建設したい意向を持っているといい、今後も再開発や駅施設の再編で生まれた余剰の用地を最大限活用するとみられる。

高槻駅北口では高槻駅北地区第一種市街地再開発事業の終了後にJR西日本不動産開発が駅に隣接して「JR高槻駅NKビル」を建設している。

JR西日本の商業開発は駅周辺の商業に影響を与えるとして警戒感も根強い。しかし乗降客の増加につながれば新快速停車も期待できるという声もあり、不安と期待が交錯している。

2017年春からのJR茨木駅新快速停車は絶望的


来春のJRダイヤ改正によるJR茨木駅への新快速停車は絶望的だ。今月中旬に来年3月のJRダイヤ改正発表が予定されているが、すでにJR西日本が茨木市役所や茨木商工会議所など複数の関係者に伝えているという。商業施設の開業や立命館大学新学部開設にもかかわらず、JR茨木駅の利用客数の増加が予想を下回っていることが理由のようだ。

昨年11月に万博記念公園に三井不動産グループの商業施設「ららぽーとEXPOCITY」と、ガンバ大阪のホームスタジアムとなる吹田市立吹田サッカースタジアムが開業し、今年4月には立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)で総合心理学部が発足している。

JR茨木駅はエキスポシティと吹田スタジアムへのアクセス拠点として大きく期待されていた。JR茨木駅西口からのバス便も大幅に増便されたものの、利用客数は期待したほどではなかったようだ。大阪モノレールが予想以上に好調なうえに、自動車での来場も多いと見られる。

しかし利用客数はまだ増える可能性がある。2017年11月には宅配便最大手・ヤマト運輸の持株会社・ヤマトホールディングスが松下町に西日本最大級の物流ターミナル「関西ゲートウェイ」を開設する。名神高速茨木インターに近い松下町の約12万平米の用地は1958年に稼動を始めたパナソニックのテレビ工場跡地。プラズマディスプレーへの投資で数千億円規模の損失が出たため、ヤマトホールディングスへの定期賃貸借を前提に大和ハウス工業へ売却していた。
茨木市に開業するヤマト運輸関西ゲートウェイ
さらに彩都では今夏にスーパーの万代百貨店が食品加工・物流センターをオープンし、9月に米系デベロッパー・プロロジスの物流センターが竣工し、ニトリなどが入居するほか、2020年に資生堂も工場と物流センターを大阪市東淀川区から移転する予定だ。

現状JR茨木駅から彩都へは阪急バスが1時間に1便ていど運行している。阪急茨木市駅と彩都西間をJR茨木駅経由で結んでいる。JRと大阪モノレールの乗り換えが不便なため、彩都に事業所が増えればバスが増便される可能性が高い。さらにOICの総合心理学部は新設された学部で、来年以降も新たに新入生が増え続ける。こんご数年はJR茨木駅の利用者数は伸び続けるとみられる。

しかしJR総持寺駅開業後は、追手門大学のキャンパス移転もあって利用客の動向は予測が難しい。商工会議所などはJR西日本にJR茨木駅への新快速停車を働きかけているが、先行きは不透明だ。

3月のJRダイヤ改正は例年12月20日前後の金曜に発表されている。今年の12月第4金曜は12月23日(天皇誕生日)で祝日のため、第3金曜の12月16日になるとみられる。

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