ダムで町おこしにカラオケ店困惑


茨木市内の安威川上流に建設中の安威川ダムが2022年中に完成する。大阪府は治水を目的にダム本体の建設のほか、ダム工事の影響が及ぶ付け替え道路や農地の整備を進める。

茨木市は、すでに開通している新名神高速道路と合わせて北部山間地域の振興をめざしている。ダム周辺地域には物流施設の誘致が進んでいる。

さらにダム周辺で公園を整備し、観光面からも町おこしを図る考えだ。市が整備する公園と、民間が開設・運営する公園を併設することにしており、民間の公園については、2020年に大和リース、Gravity Park Holdings、E-DESIGNの3社からなるグループを指定管理者に選定している。

同グループではキャンプ場やレストラン・カフェのほか、バンジージャンプを体験できる吊り橋を誘客の目玉として設置する予定だ。

茨木市は、同グループとともにエリアマネジメント組織を結成し、公園の一体的な管理運営と、ダム周辺地域のまちづくり活動も行うことにしている。


市は、ダムを活用したまちづくりで、北摂では人気が低迷する茨木市の地位向上を目指す。近畿圏では、北摂は人気のエリアだが、その中でも茨木市の人気は伸び悩む。

リクルートが発表した2022年の「住みたい街ランキング」でも、吹田市、豊中市はトップ10入りし、高槻市も順位を上げて11位だが、茨木市は23位と順位を落とした。

高槻の人気上昇は、JR駅前の市街地整備でにぎわいがありつつ、住宅も確保していることに加え、安満公園の整備でファミリー層の人気を集めていることが要因とみられる。

茨木市も、安威川ダムと、周辺の公園整備で市のイメージ向上をめざす。北摂では安威川ダム以外のダムは箕面川ダムしかなく、しかも安威川ダムよりも規模が小さいため、観光資源としては力不足だ。北摂地域内での差別化戦略として安威川ダムをフル活用する構えだ。


茨木市は、安威川ダムカレーなど安威川ダムのプロモーションをすでに展開している。しかしそれだけでは不充分だとして、市内のカラオケ店に対して、特定ブランドの機器を導入するよう働きかけているという情報がある。

ダムを想起する特定ブランドの機器に統一することで、市内でカラオケを利用するたびに、安威川ダムを意識させる戦略だ。他社製品を導入している店舗にも切り替えを促すようだ。

カラオケを利用していないときに表示される画面にも安威川ダムの映像をインサートしたり、美空ひばりさんの「川の流れのように」などの楽曲のビデオにも、安威川の映像を使用するという案があり、近く特定ブランドの運営会社と交渉に入るという。

しかし、市内のカラオケ店の経営者からは困惑の声もあがる。「うちは(エクシングの)JOYSOUNDなんや。いま切り替えると、リースの違約金がかかる。」

カラオケ店はスナックなど小規模店も多く、違約金を負担するのは困難だ。大規模店舗も市の町おこしには協力する意向だが、台数が多いだけに猶予期間を設けるよう求めている。

福岡洋一茨木市長、施政方針で開発路線継続を表明


茨木市の福岡洋一市長は、9日の茨木市議会で施政方針説明を行った。都市計画や北部振興など開発関連に、44分間の説明のうち約10分を割いた。

すでに事業が進んでいるJR総持寺駅や安威川ダムだけではなく、JR茨木駅・阪急茨木市駅の西口再整備など中心市街地の活性化、彩都、玉島・野々宮などの南部地区開発などの開発案件についても概ね継続する姿勢を表明した。

その一方で、昨年閉館した市民会館に代わる芸術文化施設については、市民の関心が高く、市民の「こころの中心地」という性格があるとした。その上で対話や議論で思いを傾聴し、福祉文化会館との一体運用や新たな施設の必要性について丁寧に検討したいとして、慎重な姿勢を見せた。

また、廃棄物処理や上下水道などのインフラについても言及し、摂津市とのごみ処理広域化や下水道料金の見直しについても意欲をしめした。
(その他の政策についても追って詳報します)

03:33(施政方針説明の経過時間、単位:分・秒)
●【市長選挙政策骨子】「人と自然が共生する持続可能なまちに」
総合計画・都市計画マスタープラン
多核ネットワーク型都市構造によるまちづくり
都市機能の適正配置、立地適正化計画

●【市長選挙個別政策】「昼も夜もにぎわい、憩える中心市街地と駅前の再整備」
中心市街地活性化基本計画の策定

04:53
●駅前開発
JR茨木駅・阪急茨木市駅の西口周辺再整備
・交通結節点機能強化
・市の玄関口として多くの市民が集える空間
・関係者と協議を進め計画の早期具体化を促進
JR茨木駅東口広場の愛称公募
JR茨木構内にエスカレーターを設置

05:30
●【市長選挙個別政策】「市民に愛され、使われる新しい芸術文化施設の建設」
市民の関心が高い
市民の「こころの中心地」という性格
対話や議論で思いを傾聴
中心市街地という立地優位性
福祉文化会館との一体的な活用
新たな芸術文化施設の必要性も丁寧に検討

06:17
●【市長選挙個別政策】「渋滞ゼロをめざしたまちづくり」
茨木松ヶ本線など計画的な道路整備
広域的な幹線道路整備も大きく関係するため国や府とも協議
渋滞緩和につながる公共交通の維持・利用促進、移動の実態調査を実施

06:54
●【市長選挙で言及せず】住宅
茨木市に「住み、働き、学び、憩う」中で「住まい」は生活の基盤であり重要施策
住宅施策を充実
既存ストックの適正な維持管理、居住の安定確保
住まいに関する情報を積極発信
H27実施の実態調査結果を踏まえ、有効活用や適正利用を促す空き家等対策計画を策定

07:50
●【市長選挙で言及せず】JR総持寺駅
平成30年春開業にむけて周辺整備進める
民間事業者とともに住みよい機能配置

08:05
●【市長選挙で言及せず】彩都
中部地区で市有地への企業等誘致をすすめる
東部地区では周辺環境に配慮しながら先行エリアでの事業推進
その他地区業務代行方式での組合土地整理事業の事業化に向け地権者の主体的な活動を府と連携して支援

08:37
●【市長選挙で言及せず】安威川ダム
平成32年完成にむけて水と緑とまちに近い立地をいかした市民の憩いの場を
周辺整備は民間活力の導入視野に入れスキームを府と連携して策定

09:01
●【市長選挙で言及せず】新名神
インターチェンジ周辺の魅力創造

09:12
●【市長選挙で言及せず】北部地域
彩都・ダム・新名神など既存の魅力と新たな資源をつなぎさらなる魅力を創造

09:30
●【市長選挙で言及せず】広域幹線道路沿道の市街化調整区域
都市的土地利用への転換
南部地域の活力増進
地権者、事業化検討パートナー、関係機関と協議調整進めて必要な手続き

09:50
●【市長選挙で言及せず】東芝工場跡地スマートコミュニティ構想
東芝、追手門学院、進出事業者と協議・調整
必要な都市計画手続きを進める
多様なコミュニティづくり

10:10
●【市長選挙で言及せず】交通
<道路整備>
茨木松ヶ本線、山麓線等の都市計画道路
市道庄中央線、総持寺駅前線整備を進める
府施工の上郡佐保線、大岩線で事業促進
<バリアフリー>
移動の円滑化、安全な歩行空間の確保
バリアフリー基本構想に基づき歩道・公共施設のバリアフリー化
<自転車>
自転車利用環境整備 自転車レーン整備
<北部地域>
山間部の移動手段確保を住民と協議

11:00
●【市長選挙で言及せず】水道
<上水道>
安心な水道水を将来にわたって供給し続ける
水道事業ビジョン改定、経営戦略策定
水道施設の計画的効率的更新
<下水道>
次世代に健全な施設を引き継ぐため下水道経営を安定化
下水道使用料の改定検討
管路等の計画的超寿命化
早期生活排水処理100%めざし公共下水道、公設浄化槽整備事業

11:49
●【市長選挙で言及せず】環境
環境配慮行動に取り組む意欲向上
エコポイント制度開始
地球温暖化対策国民運動「COOL CHOICE(賢い選択)」推進
環境フェア、省エネコンテストなど
環境教育で環境問題への市民意識高揚はかる

12:20
●【市長選挙で言及せず】廃棄物行政
一般廃棄物処理基本計画 一層の減量化再資源化
摂津市との廃棄物処理広域化協議を引き続き進める

12:38(~12:59)
●【市長選挙で言及せず】都市と緑の共存
生垣を含む民有地緑化助成対象拡大
緑化相談で市民の緑化意識向上