茨木市長選は福岡市長が無投票再選


茨木市選挙管理委員会は4月7日に予定していた茨木市長選挙が無投票となったことを発表した。現職の福岡洋一市長(48)が再選された。


茨木市選挙管理委員会は、3月31日18時過ぎに「令和6年4月7日執行の茨木市長選挙につきましては、告示日(3月31日)に立候補の届出のあった候補者数が、選挙すべき人数を超えないため、無投票となりました。なお、茨木市議会議員補欠選挙は予定どおり実施されます。」と発表した。


市議補選(定数2)には、届け出順に西野貴治(30)、川口元気(43)、大嶺学(58)の3候補が立候補を届け出た。

西野貴治氏略歴


西野貴治(にしのたかはる)
1993年9月14日生まれ。大阪府茨木市市出身。2006年3月春日丘、2009年3月西陵中、2012年3月吹田東高卒。2018年3月早大人科健康福祉学科(eスクール)卒。2012年ガンバ大阪入団、2017年2月~8月ジェフユナイテッド千葉期限付き移籍、2019年1月ガンバ大阪退団。2019年2月カマタマーレ讃岐入団、2023年退団。2023年3月リクルート入社。茨木青年会議所まちづくり委員会副委員長。茨木市内在住。

川口元気氏略歴


川口元気(かわぐちげんき)
1980年8月20日大阪府豊中市生まれ。大阪府門真市出身。1986年たちばな幼稚園卒、門真市立沖小学校入学。1981年滋賀県大津市に転校。平安中学校、平安高校卒。神戸学院大学法学部法律学科中退。約3年の音楽活動の後、株式会社イチバン・コーポレーションに入社し約7年勤務。別の民間企業で約3年勤務し2014年12月20日退社。2014年松室猛政治勉強会『練成塾』入塾。2015年4月門真市議選に無所属で立候補も落選。2015年6月足立康史衆院議員事務所秘書。2024年2月16日市議補選公認決定、大阪維新の会茨木市政対策委員。2024年2月足立康史衆院議員事務所秘書退任。茨木市竹橋町在住。

茨木市長選・市議補選あす告示


任期満了にともなう茨木市長選挙が3月31日に告示される。現職の福岡洋一氏(48)が3選されるかが焦点だ。維新と共産が対立候補の擁立を断念し、無投票で再選される公算が大きい。

茨木市議会議員の補欠選挙(定数2)も同じ日程で実施される。自民、維新、共産が候補を立てる。投票日は4月7日で即日開票される見込み。


1月下旬、萩原佳市議(46)が茨木市役所の女性職員に「小学生と話しているみたい」と暴言を吐き、下野巌議長から注意されたと読売新聞が報じた。

前回の市長選でネガティブキャンペーンを展開し、落下傘候補の寺元博昭氏が敗北した維新にとって、地元出身の候補を擁立する算段が狂った瞬間だった。

萩原市議は2017年初当選の2期目。2021年の市議選では4,800超の票を得てトップ当選し、大手事務所の経験もある公認会計士で、弁護士でもある福岡市長にも対抗できる人材と目されてきた。

元日付の市政報告書チラシではネガティブキャンペーンは封印して「茨木市の政治を前に進めたい」「次の選挙では別の政治家を選んでみるということも必要」と政策を訴え、昨年末からは街頭の2連ポスターに足立康史衆院議員と並んで写るなど、維新は萩原市議を茨木市長選に擁立するとみられていた。

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

いっぽう現職の福岡市長は、茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」の開業や待機児童対策や物価高騰対策などを通じて市の人口増加にもつなげた実績を訴える。

次なる茨木をつくる会NEWS福岡洋一チラシ2024年2月

次なる茨木をつくる会NEWS福岡洋一チラシ2024年2月

選挙後にも安威川ダムの「ダムパークいばきた」の開業や中学までの学校給食の実施など教育関連の施策が実現するほか、阪急茨木市駅前の病院誘致も道筋が見えてきた。

福岡市長は、2016年の市長選で自民の占部走馬府議にスカウトされたが、大阪府や関西の政治状況が維新一強となる中、維新に脅威を感じる非維新勢力にも支持を広げている。

子育て世代を中心に無党派層にも好感を持たれており、維新側も不祥事のみそぎが済まない状態で市長選に名乗りを上げても勝ち目はないと判断したようだ。

ただ、このタイミングで暴言が明らかになったのは、市役所も萩原市議や維新の候補が市長になることを歓迎していないことが背景にありそうだ。

8年前の市長選で当時の木本保平市長が落選するきっかけとなった親族の市税滞納問題も、市役所の関係者から情報流出しない限り表ざたになるものではない。

今回の暴言についても市役所内部からマスコミにリークされたとみられる。

読売新聞によると、昨年12月に市議会の一般質問の打合せを行っていた萩原市議が、意に沿わない回答をした女性職員に「小学生と話しているみたいだ」などの暴言を吐いたと関係者が証言している。

この職員が上司に相談し、下野議長らが萩原市長に事実確認をしたうえで態度を改めるよう注意したという。

萩原市議は読売新聞の取材に発言の具体的内容は答えなかったが、職員に「不快に思われたなら申し訳ない」と謝罪したと明らかにしたという。

子どもの同級生であることから、未就学の萩原氏を知るという70代の女性は萩原氏を自己主張が強く「ちょっと変わった子だった」と語る。

そもそも維新は「統治機構改革」を旗印に掲げ、行政組織とは対決的な姿勢を取っており、市役所職員に融和的な対応ではない可能性がある。

次の市議会議員選挙で再選されるまではみそぎが済んでいないとみなされそうだ。

他方で福岡市長のトップダウンを避けボトムアップを促す手法は市職員から好評のようだ。

ある市役所職員は「市長に相談すると、禅問答のような会話になる」ことが多く、直接的な指示があることは少ないというが、職員の意向が尊重されやすいことを好意的にとらえているようだ。

その反面で有権者からは優柔不断などといった批判も漏れる。

おにクルについては市民会館の建替えは前市長時代の既定路線であり、ダムパークについては、府の事業に関連したもので福岡市政で新たに進展した事業が少ないという指摘もある。

萩原氏はこうした批判を反映して、阪急茨木市駅西口とJR茨木駅西口の再開発を進める姿勢をみせていた。さらには慢性的な道路渋滞の解消についても意欲を示していた。

萩原氏は2023年から次世代移動交通システム「Zippar」を導入することを提案しており、市政報告書チラシでも訴えていた。

「Zippar」はロープウェーのように道路などの上空に索道を設置してゴンドラを運行するもので、モノレールよりも安価に建設できるとみられる。

1月14日の新聞にチラシが折り込まれた「北大阪環状モノレール構想」について、茨木商工会議所に設置された「モノレール研究会」の委員長が木本誠一氏であることから、萩原市議への援護射撃とみる向きもあった。

誠一氏は木本興産の代表取締役で、維新推薦の市長だった木本保平氏の親族だ。

北大阪環状モノレール構想リーフレット2024年1月14日

北大阪環状モノレール構想リーフレット2024年1月14日

3期目の福岡市長にとっては阪急・JRの再開発や阪急茨木市駅前の病院誘致の促進などが評価ポイントになりそうだ。


市議補選は、2022年7月に病気で辞職した島田あきこ氏、2023年4月に府議に転出した大野ちかこ氏の欠員を補充するものだ。当会の調べでは3人が立候補を表明している。

自民は年明け早々に元プロサッカー選手の西野貴治氏(30)を推薦すると発表した。維新は2月中旬に足立衆院議員の元秘書の川口元気氏(43)を公認した。25日には共産党茨木・豊能地区委員会は大嶺学氏(58)の擁立を発表した。

自民チラシ西野貴治推薦

維新プレス川口元気2403

維新プレス川口元気2403

大嶺氏は補欠選挙も含めて茨木市議の挑戦は4度目。川口氏も2015年に門真市議選に出馬した経験がある。