【独自】JR茨木駅西口再開発は大深度地下を使用へ


JR茨木駅西口周辺の再開発は、地下25階程度までの大深度地下を使用することがわかった。

阪急茨木市駅西口やJR茨木駅西口など駅前では高さ制限を特例で緩和できることになっているが、地上は15階程度に抑え、第八種高度地区(43m)程度の高さにする。

阪急茨木駅西口周辺再整備で近隣住民から高層化への反発が大きいことが背景だ。

平成13年に施行された大深度地下の公共的使用に関する特別措置法の適用を目指す。「公共的使用」の名目として、三島府民センターなど大阪府や茨木市の公共施設を集約するほか、北陸新幹線の茨木駅を設置するようだ。


北陸新幹線は、敦賀駅(福井県敦賀市)から新大阪駅(大阪市淀川区)への延伸が計画されている。現時点では京都駅を経由する案が有力だ。

京都駅から新大阪駅へのルートは、学研都市線の松井山手駅を通る淀川左岸ルートが想定されているが、このルートでは新大阪駅に隣接する宮原操車場地下に設置するとみられる北陸新幹線ホームへ入る線形が複雑になる。

さらに伏見の酒造業界も酒造りに欠かせない伏流水への影響を懸念して京都駅から南下する左岸ルートに不安の声を上げる。

「中央リニアの川勝(平太)知事と、北陸新幹線の酒造組合は、令和の二大水騒動になる」と語る関係者もある。

そこで東海道線(JR京都線)の大深度地下を利用して京都駅から新大阪駅に延伸する淀川右岸ルート案が浮上した。

淀川左岸ルートでは、松井山手駅が第二京阪道路や新名神高速道路も通る交通の結節点であることから途中駅の候補に浮上したが、茨木駅も名神・近畿・中国の各高速道路などが近く淀川右岸ルートの途中駅として整備効果が大きい。

大阪府と茨木市は、茨木駅西口周辺の再整備で大深度地下を活用するため、北陸新幹線の茨木駅を誘致することで事業に公共性を持たせたい考えだ。

地上と地下で容積率を目いっぱい活用することで事業の採算性が向上し、駅前再開発に弾みがつきそうだ。