茨木市長選は福岡市長が無投票再選


茨木市選挙管理委員会は4月7日に予定していた茨木市長選挙が無投票となったことを発表した。現職の福岡洋一市長(48)が再選された。


茨木市選挙管理委員会は、3月31日18時過ぎに「令和6年4月7日執行の茨木市長選挙につきましては、告示日(3月31日)に立候補の届出のあった候補者数が、選挙すべき人数を超えないため、無投票となりました。なお、茨木市議会議員補欠選挙は予定どおり実施されます。」と発表した。


市議補選(定数2)には、届け出順に西野貴治(30)、川口元気(43)、大嶺学(58)の3候補が立候補を届け出た。

茨木市長選・市議補選あす告示


任期満了にともなう茨木市長選挙が3月31日に告示される。現職の福岡洋一氏(48)が3選されるかが焦点だ。維新と共産が対立候補の擁立を断念し、無投票で再選される公算が大きい。

茨木市議会議員の補欠選挙(定数2)も同じ日程で実施される。自民、維新、共産が候補を立てる。投票日は4月7日で即日開票される見込み。


1月下旬、萩原佳市議(46)が茨木市役所の女性職員に「小学生と話しているみたい」と暴言を吐き、下野巌議長から注意されたと読売新聞が報じた。

前回の市長選でネガティブキャンペーンを展開し、落下傘候補の寺元博昭氏が敗北した維新にとって、地元出身の候補を擁立する算段が狂った瞬間だった。

萩原市議は2017年初当選の2期目。2021年の市議選では4,800超の票を得てトップ当選し、大手事務所の経験もある公認会計士で、弁護士でもある福岡市長にも対抗できる人材と目されてきた。

元日付の市政報告書チラシではネガティブキャンペーンは封印して「茨木市の政治を前に進めたい」「次の選挙では別の政治家を選んでみるということも必要」と政策を訴え、昨年末からは街頭の2連ポスターに足立康史衆院議員と並んで写るなど、維新は萩原市議を茨木市長選に擁立するとみられていた。

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

萩原佳市政報告書2024年1月1日

いっぽう現職の福岡市長は、茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」の開業や待機児童対策や物価高騰対策などを通じて市の人口増加にもつなげた実績を訴える。

次なる茨木をつくる会NEWS福岡洋一チラシ2024年2月

次なる茨木をつくる会NEWS福岡洋一チラシ2024年2月

選挙後にも安威川ダムの「ダムパークいばきた」の開業や中学までの学校給食の実施など教育関連の施策が実現するほか、阪急茨木市駅前の病院誘致も道筋が見えてきた。

福岡市長は、2016年の市長選で自民の占部走馬府議にスカウトされたが、大阪府や関西の政治状況が維新一強となる中、維新に脅威を感じる非維新勢力にも支持を広げている。

子育て世代を中心に無党派層にも好感を持たれており、維新側も不祥事のみそぎが済まない状態で市長選に名乗りを上げても勝ち目はないと判断したようだ。

ただ、このタイミングで暴言が明らかになったのは、市役所も萩原市議や維新の候補が市長になることを歓迎していないことが背景にありそうだ。

8年前の市長選で当時の木本保平市長が落選するきっかけとなった親族の市税滞納問題も、市役所の関係者から情報流出しない限り表ざたになるものではない。

今回の暴言についても市役所内部からマスコミにリークされたとみられる。

読売新聞によると、昨年12月に市議会の一般質問の打合せを行っていた萩原市議が、意に沿わない回答をした女性職員に「小学生と話しているみたいだ」などの暴言を吐いたと関係者が証言している。

この職員が上司に相談し、下野議長らが萩原市長に事実確認をしたうえで態度を改めるよう注意したという。

萩原市議は読売新聞の取材に発言の具体的内容は答えなかったが、職員に「不快に思われたなら申し訳ない」と謝罪したと明らかにしたという。

子どもの同級生であることから、未就学の萩原氏を知るという70代の女性は萩原氏を自己主張が強く「ちょっと変わった子だった」と語る。

そもそも維新は「統治機構改革」を旗印に掲げ、行政組織とは対決的な姿勢を取っており、市役所職員に融和的な対応ではない可能性がある。

次の市議会議員選挙で再選されるまではみそぎが済んでいないとみなされそうだ。

他方で福岡市長のトップダウンを避けボトムアップを促す手法は市職員から好評のようだ。

ある市役所職員は「市長に相談すると、禅問答のような会話になる」ことが多く、直接的な指示があることは少ないというが、職員の意向が尊重されやすいことを好意的にとらえているようだ。

その反面で有権者からは優柔不断などといった批判も漏れる。

おにクルについては市民会館の建替えは前市長時代の既定路線であり、ダムパークについては、府の事業に関連したもので福岡市政で新たに進展した事業が少ないという指摘もある。

萩原氏はこうした批判を反映して、阪急茨木市駅西口とJR茨木駅西口の再開発を進める姿勢をみせていた。さらには慢性的な道路渋滞の解消についても意欲を示していた。

萩原氏は2023年から次世代移動交通システム「Zippar」を導入することを提案しており、市政報告書チラシでも訴えていた。

「Zippar」はロープウェーのように道路などの上空に索道を設置してゴンドラを運行するもので、モノレールよりも安価に建設できるとみられる。

1月14日の新聞にチラシが折り込まれた「北大阪環状モノレール構想」について、茨木商工会議所に設置された「モノレール研究会」の委員長が木本誠一氏であることから、萩原市議への援護射撃とみる向きもあった。

誠一氏は木本興産の代表取締役で、維新推薦の市長だった木本保平氏の親族だ。

北大阪環状モノレール構想リーフレット2024年1月14日

北大阪環状モノレール構想リーフレット2024年1月14日

3期目の福岡市長にとっては阪急・JRの再開発や阪急茨木市駅前の病院誘致の促進などが評価ポイントになりそうだ。


市議補選は、2022年7月に病気で辞職した島田あきこ氏、2023年4月に府議に転出した大野ちかこ氏の欠員を補充するものだ。当会の調べでは3人が立候補を表明している。

自民は年明け早々に元プロサッカー選手の西野貴治氏(30)を推薦すると発表した。維新は2月中旬に足立衆院議員の元秘書の川口元気氏(43)を公認した。25日には共産党茨木・豊能地区委員会は大嶺学氏(58)の擁立を発表した。

自民チラシ西野貴治推薦

維新プレス川口元気2403

維新プレス川口元気2403

大嶺氏は補欠選挙も含めて茨木市議の挑戦は4度目。川口氏も2015年に門真市議選に出馬した経験がある。

愛称で両駅前の再開発を加速


阪急茨木市駅西口とJR茨木駅西口で検討が進められている市街地再開発について、愛称をつける方向で検討されていることがわかった。

両駅前の再開発について市民の関心を高めることで、できるだけ多くの市民を巻き込んでスムーズに再開発を進めたい考えだ。

しかし、整備基本計画については決まっていないため、施設に対するものではなくプロジェクトの愛称になる見通し。

関係筋によると、今回の愛称は「あくまで仮のもの」として公募しない。予算がないことも公募しない理由だ。

また、この関係者は阪急茨木市駅については「マルクル」、JR茨木駅については「シン・クル」が有力だと語った。

阪急茨木市駅については、阪急電鉄のコーポレートカラーであるマルーンを意識したという。JR茨木駅については、JR西日本が茨木駅に新快速を停車させたくなるよう誘導するメンタリズム的効果を期待したという。


2020年6月に明らかになった阪急茨木市駅西口駅前周辺整備基本計画案は、周辺住民等の反発が強く、計画の変更に追い込まれた。

計画案へのパブリックコメントの募集がローカルメディアや都市開発系ブログなどで取り上げられ、一気に市民の周知が進んだ。

しかし、市民への事前の周知が少なかったため、多くの市民にとっては唐突感があり、市民から計画案への明確な支持が得らなかった。

その反省から、茨木市はJR茨木駅西口の再開発では市民対象のアンケートやワークショップを開催するなど、地権者や周辺住民だけではなく、多くの市民を巻き込んで検討を進めている。

愛称には、さらに多くの市民に周知してもらい、まちづくりの応援団になってもらう狙いがありそうだ。

2023年春も新快速の茨木停車見送り


JRグループ各社は、2023年3月18日に予定しているダイヤ改正の概要を発表した。

JR西日本は、京阪神地区で大阪駅の「うめきたエリア」開業、奈良線の複線化などを実施する。

JR京都線では、大阪駅の「うめきたエリア」開業により関空特急「はるか」などが新たに大阪駅に停車することになった。

また、新快速の有料席を拡大することも発表されたが、JR茨木駅の新快速停車は発表されなかった。

大阪駅の「うめきたエリア」開業は、おおさか東線が乗り入れるほか、京阪間を運転する特急が停車することになることから、京都線に大きくかかわるため、茨木駅の新快速停車など優等列車の停車駅の拡大も期待されていた。

ダムで町おこしにカラオケ店困惑


茨木市内の安威川上流に建設中の安威川ダムが2022年中に完成する。大阪府は治水を目的にダム本体の建設のほか、ダム工事の影響が及ぶ付け替え道路や農地の整備を進める。

茨木市は、すでに開通している新名神高速道路と合わせて北部山間地域の振興をめざしている。ダム周辺地域には物流施設の誘致が進んでいる。

さらにダム周辺で公園を整備し、観光面からも町おこしを図る考えだ。市が整備する公園と、民間が開設・運営する公園を併設することにしており、民間の公園については、2020年に大和リース、Gravity Park Holdings、E-DESIGNの3社からなるグループを指定管理者に選定している。

同グループではキャンプ場やレストラン・カフェのほか、バンジージャンプを体験できる吊り橋を誘客の目玉として設置する予定だ。

茨木市は、同グループとともにエリアマネジメント組織を結成し、公園の一体的な管理運営と、ダム周辺地域のまちづくり活動も行うことにしている。


市は、ダムを活用したまちづくりで、北摂では人気が低迷する茨木市の地位向上を目指す。近畿圏では、北摂は人気のエリアだが、その中でも茨木市の人気は伸び悩む。

リクルートが発表した2022年の「住みたい街ランキング」でも、吹田市、豊中市はトップ10入りし、高槻市も順位を上げて11位だが、茨木市は23位と順位を落とした。

高槻の人気上昇は、JR駅前の市街地整備でにぎわいがありつつ、住宅も確保していることに加え、安満公園の整備でファミリー層の人気を集めていることが要因とみられる。

茨木市も、安威川ダムと、周辺の公園整備で市のイメージ向上をめざす。北摂では安威川ダム以外のダムは箕面川ダムしかなく、しかも安威川ダムよりも規模が小さいため、観光資源としては力不足だ。北摂地域内での差別化戦略として安威川ダムをフル活用する構えだ。


茨木市は、安威川ダムカレーなど安威川ダムのプロモーションをすでに展開している。しかしそれだけでは不充分だとして、市内のカラオケ店に対して、特定ブランドの機器を導入するよう働きかけているという情報がある。

ダムを想起する特定ブランドの機器に統一することで、市内でカラオケを利用するたびに、安威川ダムを意識させる戦略だ。他社製品を導入している店舗にも切り替えを促すようだ。

カラオケを利用していないときに表示される画面にも安威川ダムの映像をインサートしたり、美空ひばりさんの「川の流れのように」などの楽曲のビデオにも、安威川の映像を使用するという案があり、近く特定ブランドの運営会社と交渉に入るという。

しかし、市内のカラオケ店の経営者からは困惑の声もあがる。「うちは(エクシングの)JOYSOUNDなんや。いま切り替えると、リースの違約金がかかる。」

カラオケ店はスナックなど小規模店も多く、違約金を負担するのは困難だ。大規模店舗も市の町おこしには協力する意向だが、台数が多いだけに猶予期間を設けるよう求めている。

新快速の茨木駅停車は見送り


JRグループ各社は、2022年3月12日に実施を予定しているダイヤ改正の概要を発表した。

JR西日本は、京阪神地区では「ご利用に合わせた列車の見直し」を行う。

コロナ禍で通勤需要が減っていることから、多くの線区で運転本数を減らす。大阪環状線などでは終電も繰り上げる。

一方でコロナ禍終息を見据えて、関西空港を発着する特急「はるか」の一部列車で運転を再開する。

利用者が激減する中でJR西日本は守りに徹しており、新たな動きは乏しい。

JR京都線では平日の通勤時間帯で運転本数が減る。高槻・京都間でも普通電車の間引きが行われるようだ。JR茨木駅の新快速停車は見送られた。

2023年度には梅田貨物駅跡地で開発が進むうめきた2期地区に、大阪駅の新ホームが開業する予定で、おおさか東線の乗り入れなども予想される。

それまでは新たな動きは期待できなさそうだ。

衆院選きょう投開票


 衆議院選挙は、10月31日投開票が行われる。茨木市を含む大阪9区では、自民党の現職で元防衛副大臣の原田憲治(73)、社民党の新人で党副党首の大椿裕子(48)、日本維新の会の現職で党幹事長代理の足立康史(56)、無所属の新人で医師の磯部和哉(49)の四氏が立候補している。

 マスコミ各社の分析では、足立氏と原田氏が抜け出しているようだ。大椿氏は、野党統一候補とはいえ浸透しきれず、組織力の乏しい磯部氏はポスターすら貼りきれていない。上位2候補では、足立氏が先行し原田氏が追い上げる戦いとなっているようだ。党の「73歳定年制」で比例代表に重複立候補できず、小選挙区で敗れれば復活がない原田陣営の危機感は強い。

 西銘恒三郎復興担当大臣、小渕優子自民党組織運動本部長、石破茂元自民党幹事長、古川禎久法務大臣、佐藤正久参議院議員、鈴木貴子外務副大臣、片山さつき元地方創生担当大臣、三原じゅん子前厚生労働副大臣、小野寺五典元防衛大臣、高市早苗政調会長、加藤勝信前内閣官房長官など有力者が応援演説に駆けつけて支持の掘り起こしに懸命だ。推薦する公明党も石川博崇参議院議員などを投入している。
原田憲治候補の応援演説を行う石破茂元自民党幹事長

 いっぽうで足立陣営への大物の応援は、公示前の9日に日本維新の会の副代表で吉村洋文大阪府知事が茨木駅西口で応援演説を行っただけ。代表の松井一郎大阪市長や吉村氏が、大阪7区(吹田市・摂津市)の奥下剛光氏や、10区(高槻市・三島郡島本町)の池下卓氏の応援に頻繁に足を運ぶのとは対照的だ。

 自民党の大阪府連会長である原田氏と戦う9区は、維新には落とせない選挙区だ。比例代表重複があるとはいえ他の選挙区を優先するのは、維新の情勢分析でも足立氏が先行しているということだ。

 足立氏は、ツイッターで「維新優勢報道が続いていますが、4年前も優勢報道の末に2千票の僅差で負けました。大阪9区の自民候補は大阪の大将。本気の公明党、野党系地方議員などの組織票が積み上がり、完全に互角の激戦。」と陣営を引き締める。


 選挙の結果次第では、大阪9区から自民党の衆院議員が不在になる。そうなれば下部組織も弱体化する可能性がある。地元選出の代議士が不在となれば、自民党の茨木市支部は府議選、市長選、市議選と2023年から3年間連続する地方選挙で厳しい戦いを強いられそうだ。

 前回の衆院選では等距離外交に徹した福岡洋一市長も、昨年の市長選で維新が対立候補を擁立したことで、今回は原田氏の応援に回った。自民党茨木市支部が弱体化すれば次回の市長選挙では、苦しい立場に追い込まれる可能性もある。

 茨木市の市政の勢力図が塗り替われば、JR茨木駅西口や阪急茨木駅西口の再開発も大きな影響をうけそうだ。維新・公明・自民が拮抗する三どもえ状態が解消すれば、大きく前進する可能性もある。


 維新に近い菅義偉前首相が退陣し、岸田文雄政権が発足したことで、維新は自民党との対決姿勢を鮮明にしている。党勢拡大のためのポーズの可能性もあるが、全面対決になって府政や茨木市政が維新一色となれば、中央との距離が開くこともありえる。

 大阪・関西万博やIR以降の、関西の国際金融都市化や駅前再開発などの大小の投資案件に、政府からの支援を受けにくくなる可能性もある。


 今回の衆院選が、JR茨木駅西口や阪急茨木駅西口の再開発にとって大きな転機となりそうだ。

足立氏、茨木の自公切り崩しへ


 19日に公示された衆院選は、投開票まで残り1週間になった。茨木市を含む大阪9区には、自民党の現職で元防衛副大臣の原田憲治(73)、社民党の新人で党副党首の大椿裕子(48)、日本維新の会の現職で党幹事長代理の足立康史(56)、無所属の新人で医師の磯部和哉(49)の四氏が立候補した。
隣り合う原田憲治衆院議員選挙事務所・足立康史衆院議員選挙事務所写真=ほぼ隣接する原田憲治候補と足立康史候補の選挙事務所
 選挙の結果次第では、大阪9区では自民党の衆院議員が不在となる。市長が比較的自民党と近く、市議会でも維新に比肩する勢力を占め、府議会にも議席を持つ茨木市の自民党勢力が数年以内に切り崩されることもありそうだ。


 マスコミ各社の序盤情勢分析によれば、原田、足立両氏が他候補を引き離し接戦を演じているという。特に維新の足立氏は、コロナ禍対応で評判を上げた吉村文洋大阪府知事の人気もあり、有利に戦いを進めているとみられる。
吉村洋文府知事を前面に出す足立康史衆院議員のポスター写真=吉村洋文府知事を前面に出す足立康史衆院議員のポスター
 いっぽう原田氏は、自民党の「73歳定年制」により比例代表に重複立候補できず、小選挙区で敗れれば復活はない。足立氏の地盤でもある茨木を中心に選挙区をくまなく回るローラー作戦を展開し、背水の陣の構えだ。


 前回の衆院選でも足立氏は原田氏に約2000票差まで詰め寄っていたが、昨年以来、箕面と池田では市長選を維新が制しており、足元で勢いが増している。特に池田市長選挙は、市長室へのサウナ持ち込みなどで維新の富田裕樹前市長が辞職したことによる出直し選挙で、富田氏の元秘書で前市議の滝沢智子氏が当選しており、維新への追い風が吹いている。
 維新の松井代表や足立氏とSNSなどで中傷合戦を繰り広げ裁判沙汰になった大阪9区の府議団も、昨年11月に実施された大阪都構想の住民投票でも自民党の原田亮(箕面市)・占部走馬(茨木市)の両氏が都構想賛成に回るなど、原田氏を支える組織にきしみがみられる。
 国政では自民と連立を組む公明も、2019年の府議選で維新が圧勝したことで、大阪都構想の2回目の住民投票では都構想に賛成しており、前回の総選挙よりも自民党府連との距離は開いている。
 また、岸田文雄政権では公明と近いとされる二階俊博前幹事長が失脚しており、反公明と目される甘利明氏が幹事長に就任していることから、支持母体の票をまとめ切れるか不透明だ。
 このまま足立氏が逃げ切って小選挙区で当選すれば、自民党は大阪9区を地盤とする衆院議員が不在となる。


 大阪9区の自民党衆院議員が不在になれば、下部組織も弱体化する可能性がある。地元選出の代議士が不在となれば、自民党の茨木市支部は府議選、市長選、市議選と2023年から3年間連続する地方選挙で厳しい戦いを強いられそうだ。


 2021年3月に足立氏は選挙区内に掲示したポスターで、2023年に予定される次の府議選で茨木市選挙区には二人の候補を擁立すると明言した。現職の松本利明府議とは別に候補を公募するという。
 茨木市選挙区は定数3を、維新の松本氏、自民の占部氏と公明の中野剛氏が議席を分け合っており、維新が2議席を占めれば、手堅く票をまとめる公明よりも自民が議席を失う可能性がある。中傷合戦で裁判相手となった占部走馬府議に対する揺さぶりであると同時に、都構想には賛成しただけに秋波を送っている可能性もある。


 原田氏の選挙事務所は、占部府議の事務所を使うなど強固な関係をアピールするが、原田氏が「ただの人」になれば、占部氏が切り崩されることもありえる。
 自民党の茨木市支部のスポンサーである占部氏が自民から離脱することがあれば、茨木市の政治勢力図はオセロゲームのように、一気にひっくり返ることになる。そうなれば福岡洋一市政で野党色を強めていた維新が福岡氏を取り込んで公認するか、独自候補を擁立することで、与党に返り咲くこともありえる。


 茨木市議会では維新、公明、自民の勢力が拮抗しており、福岡市長も各党も大胆な政策を打ち出しづらい状況だ。
 もし茨木市の自民勢力が維新に同調したり、取り込まれることがあれば、成長志向が強く、開発に積極的な勢力が結集しすることになる。そうすれば、公明党や共産党など分配への志向が強く、開発に消極的な勢力を抑えて、JR茨木駅西口や阪急茨木市駅西口の再開発が大きく進展する可能性もありそうだ。

【独自】JR茨木駅西口再開発は大深度地下を使用へ


JR茨木駅西口周辺の再開発は、地下25階程度までの大深度地下を使用することがわかった。

阪急茨木市駅西口やJR茨木駅西口など駅前では高さ制限を特例で緩和できることになっているが、地上は15階程度に抑え、第八種高度地区(43m)程度の高さにする。

阪急茨木駅西口周辺再整備で近隣住民から高層化への反発が大きいことが背景だ。

平成13年に施行された大深度地下の公共的使用に関する特別措置法の適用を目指す。「公共的使用」の名目として、三島府民センターなど大阪府や茨木市の公共施設を集約するほか、北陸新幹線の茨木駅を設置するようだ。


北陸新幹線は、敦賀駅(福井県敦賀市)から新大阪駅(大阪市淀川区)への延伸が計画されている。現時点では京都駅を経由する案が有力だ。

京都駅から新大阪駅へのルートは、学研都市線の松井山手駅を通る淀川左岸ルートが想定されているが、このルートでは新大阪駅に隣接する宮原操車場地下に設置するとみられる北陸新幹線ホームへ入る線形が複雑になる。

さらに伏見の酒造業界も酒造りに欠かせない伏流水への影響を懸念して京都駅から南下する左岸ルートに不安の声を上げる。

「中央リニアの川勝(平太)知事と、北陸新幹線の酒造組合は、令和の二大水騒動になる」と語る関係者もある。

そこで東海道線(JR京都線)の大深度地下を利用して京都駅から新大阪駅に延伸する淀川右岸ルート案が浮上した。

淀川左岸ルートでは、松井山手駅が第二京阪道路や新名神高速道路も通る交通の結節点であることから途中駅の候補に浮上したが、茨木駅も名神・近畿・中国の各高速道路などが近く淀川右岸ルートの途中駅として整備効果が大きい。

大阪府と茨木市は、茨木駅西口周辺の再整備で大深度地下を活用するため、北陸新幹線の茨木駅を誘致することで事業に公共性を持たせたい考えだ。

地上と地下で容積率を目いっぱい活用することで事業の採算性が向上し、駅前再開発に弾みがつきそうだ。