木本保平前市長、政界引退か


昨年の茨木市長選挙で落選した木本保平(木本やすひら)前市長が、政界を引退するという観測が広がっている。15日に告示される茨木市議会議員選挙に木本氏の親族とみられる候補が出馬するためだ。

出馬するのは木本鉄治(きもと鉄治)氏。大阪維新の会(日本維新の会)茨木市支部が公認する予定だ。これまで青年会議所など茨木の政財界では活動していないようだが、住所が木本保平氏と同じ下穂積二丁目であることから木本保平氏の親族と見られる。

2017年茨木市議会議員選挙大阪維新の会茨木支部公認候補写真=日本維新の会茨木市支部のチラシ

日本維新の会茨木市支部が公表している情報によると木本鉄治氏は日本維新の会茨木市政対策委員で、甲子園大学の経営情報学部卒。また別の情報筋によると木本興産の役員という。

木本保平氏は日本維新の会茨木市支部支部長代行と同時に市議選の総合選対本部長も務めている。長年市議を務めてきた木本保平氏が木本鉄治氏を当選させて今後地盤を継承させるという観測が広がっている。

阪急とJRの駅前再開発や彩都、市南部の幹線道路沿い開発をリードしてきた木本保平氏が引退した場合、今後の開発路線にも影響が出る可能性もある。

茨木市の事務適正化のための庁内組織概要


茨木市が6月市議会の説明会で市議会議員に配布した茨木市の事務適正化のための庁内組織についての概要は以下の通り。

1茨木市収税事務改善検討委員会
(1)目 的
特定の個人による長期かつ高額な市税の滞納事案が生じたことを踏まえ、市税滞納者に対する収税事務の現状を把握し、市税の滞納処分、執行停止、不納欠損等(以下これらを「滞納処分等」という。)に関し、市民から信頼を得ることができる公平・公正な事務執行の確立に向けた事務改善について検討を行う。

(2)構成
河井副市長(議長)、総務部長、企画財政部長、政策法務課長、政策法務課参事
*収納課長その他職員は必要に応じて説明員として参加させる。  
*検討案等に対し、弁護士に専門的見地から意見を聴取する。

(3)内 容
①適正な滞納処分等の事務執行の確保に必要な方策等の検討
②適正な滞納処分等の事務執行に向けた取組の改善
③不適切な滞納事務等の事務執行の調査及び再発防止策の検討
④その他適正な滞納処分等の事務執行に必要な事項

(4)スケジュール(案)
平成28年8月中:中間報告
平成28年11月中:最終報告

2契約事務のあり方に関する庁内検討会
(1)目的
市民から納得される契約事務(主に業者選考事務)のあり方を検討し整理するとともに、長年受託業者が固定化しているごみ収集業務については、個別に課題等を検証のうえ整理を行う。

(2)構成
検討会:河井副市長(座長)、大塚副市長、小西水道事業管理者、総務部長、企画財政部長、教育総務部長、消防長
作業部会:政策法務課長、契約検査課長、教育総務課長、消防総務課長、水道部総務課長
*検討内容により、随時関係課長等の参加を求める。

(3)内容
①現行の契約(業者選考)事務全般の状況及び課題の把握
②一般的な契約(業者選考)事務の適切なあり方の検討及び整理
③ごみ収集業務委託契約事務の検証及び整理

(4)スケジュール(案)
平成28年8月中:中間報告
平成28年11月中:最終報告

木本市政の疑惑解明へ-親族の市税滞納・ごみ収集業務受託


親族の固定資産税滞納やごみ収集業務受託の寡占など、木本保平前市長に向けられた一連の疑惑解明にむけて茨木市役所の庁内組織が創設されることがわかった。無所属の山下慶喜(山下けいき)市議がブログで明らかにした。公平公正やクリーンを訴えてきた福岡市政が本格始動することになる。

山下市議によると、5月30日に茨木市議会は9日に開会する6月市議会の説明会を開催した。その中で企画財政部長が「前木本市政で明らかになった収税事務、契約事務の問題について、適正化するための庁内組織を作る」と報告したという。

収税事務と契約事務それぞれに対応する組織を発足させる。収税業務は「茨木市収税事務改善検討委員会」、契約事務は「契約事務のあり方に関する庁内検討会」が担当する。

収税事務の「委員会」は目的を「特定の個人による長期かつ高額な市税の滞納事案が生じたことを踏まえ、市税滞納者に対する収税事務の現状を把握し、市税の滞納処分、執行停止、不納欠損等(以下これらを「滞納処分等」という。)に関し、市民から信頼を得ることができる公平・公正な事務執行の確立に向けた事務改善について検討を行う」としている。2016年茨木市長選挙直前に告発文書で明らかになった、木本保平前市長の親族が長年にわたって固定資産税を滞納し、それが長期にわたって放置された問題を扱う。

契約事務の「検討会」は目的を「市民から納得される契約事務(主に業者選考事務)のあり方を検討し整理するとともに、長年受託業者が固定化しているごみ収集業務については、個別に課題等を検証のうえ整理を行う」としている。茨木市のごみ収集業務の民間委託が、入札の参入基準が厳しく、木本前市長の関係する木本興産など特定の業者によって長期間寡占状態にあったことが検討される。

いずれも8月までに中間報告、11月中に最終報告を行うという。先月11日に選任された河井豊副市長が組織の長となる。公平委員会、監査委員を担当する副市長であるため長を務めるのは不自然ではない。だが、副市長人事はこのための布石だったともみられる。

「対話重視で公平公正な市政運営」「政策決定プロセスの見える化」「クリーンな政治」を訴えてきた福岡市長の独自色が発揮されそうだ。

木本保平氏略歴


木本保平(きもと・やすひら)
1944年6月生まれ、茨木市出身。茨木高校、関西大学文学部新聞学科卒。1971年から茨木市議、議長。2012年市長選で第19代茨木市長に当選。おおさか維新の会茨木支部顧問。茨木市在住。