11月17日、岸辺駅に隣接する北大阪健康医療都市(健都)にJR西日本不動産開発が商業施設「VIERRA(ビエラ)岸辺健都」をオープンする。
北大阪健康医療都市(健都)は吹田市と摂津市が吹田操車場の跡地で進めるまちづくり事業だ。商業施設のほか、国立循環器病研究センターと市立吹田市民病院が移転する。
写真=VIERRA岸辺健都(左)と国立循環器病センター(右)
さらに近鉄不動産などが824戸の大型マンションを建設・分譲中だ。
今後岸辺駅の乗降客数が増えることが見込まれることから、岸辺駅への快速停車が取りざたされる。
岸辺駅の快速停車と同時に茨木駅への新快速停車もうわさされており、12月にも発表される来年春のダイヤ改正への期待が盛り上がっている。
VIERRA岸辺健都は、健都がめざす健康・医療のまちづくりに即した「健康増進機能」と「生活利便機能」を持つ。「特に健康増進機能に資する店舗構成」(JR西日本)という。
生活利便機能につながるテナントとして、「カンデオホテルズ大阪岸辺」や平和堂の食品スーパー「フレンドマート」、喫茶店「からふねや」や牛丼店「吉野家」などの飲食店、100円ショップ、ドラッグストア、保育園などが出店する。
健康増進機能については、フィットネスクラブ「グンゼスポーツ吹田健都」や医療モール「健都クリニックモール」が入居する。医療モールにはクリニックや検診施設、調剤薬局、通所介護施設などが入る。
さらに、市立吹田市民病院が、吹田駅に近い片山町から移転する。10月24日には「火入れ式」を済ませており、移転準備が最終段階を迎えている。12月4日から新病院で外来診療を開始する予定だ。
国立循環器病研究センターも来年7月1日の移転にむけて新病院がまもなく竣工する。
写真=国立循環器病センター
健都の千里丘側には近鉄不動産などが「ローレルスクエア 健都ザ・レジデンス」を建設を進めている。すでに1期棟は完成しており、入居が始まっている。来春以降に2期・3期棟も分譲予定だ。
写真=ローレルスクエア 健都ザ・レジデンス1期棟(手前)
大阪駅へ11分という交通の便の良さに加えて、国循と連携した健康管理サービスが売りだ。
VIERRA岸辺健都や吹田市民病院の開業を皮切りに、来年にかけてJR岸辺駅の乗降客数が大幅に増えそうだ。
岸辺駅の乗降客数は1日3万人ほどと、ここ数年微増傾向が続いている。4万人を超える吹田駅に迫る可能性もある。
吹田駅は新大阪駅と近く、快速を停車させるメリットは少ない。しかし、岸辺駅は新大阪・茨木の両駅と距離があることから、快速停車のメリットがあるとみられる。
かねてから地元では岸辺駅への快速停車のうわさがある。岸辺駅への快速停車と同時にJR茨木駅へ新快速を停車させるという見方も強く、12月のダイヤ改正発表に期待が集まっている。
仮に岸辺駅への快速停車だけが実現すれば、茨木駅のさらなる地盤沈下は避けられない。茨木市内でも危機感は高まっており、茨木商工会議所も新快速停車を実現するための取り組みを進めている。
4月1日に行われたJR茨木駅の商業施設開業式典では、茨木市の福岡洋一市長があいさつでJR茨木駅西口の再開発と新快速停車の実現に強い意欲を示した。
JR西日本の首脳が同席していることを念頭にした発言としては異例の踏み込んだ内容で、列席した関係者は一様に驚きを隠さなかった。
しかし茨木市役所は新快速停車実現には厳しい見方をしており、12月のダイヤ改正発表にむけて関係者は気が休まらない日々が続きそうだ。