4月7日に投開票される大阪府知事選挙と大阪府議会議員選挙が告示された。
知事選は松井一郎府知事と吉村洋文大阪市長が辞職し、相互に入れ替わって出馬する「クロス選挙」となった。府議選の茨木市選挙区には、定数3人に5人が立候補する激戦の構図。
いずれの選挙も相次ぐ災害への対応やJR茨木駅西口の再開発など懸案を抱える茨木市政には直結しないが、その結果は来春の茨木市長選挙や再来年の茨木市議選のゆくえを占うものになる。
投開票まで1週間。府議選は一度だけの週末だけに、平日は不在の有権者にアピールすべく各陣営とも熱心な選挙戦を繰り広げている。
府知事選は21日に、府議選は29日に告示された。
知事選には、自民党・公明党・連合大阪が推薦する元大阪府副知事の小西禎一(64)と、前大阪市長でおおさか維新の会所属の吉村洋文(43)の各氏が立候補した。
府議選の茨木市選挙区には、届け出順に、無所属で自由・社民・新社会が推薦する前茨木市議の山下慶喜(66)、現職で公明の中野剛(46)、共産の浅藤雅志(49)、現職で自民の占部走馬(34)、現職で大阪維新の松本利明(69)の各氏が立候補した。
大阪維新の会が実現を目指す大阪都構想の法定協議会で、維新と公明が決裂。府知事選では前回は自主投票を決めた公明も小西候補を推薦し、反・維新に回った。
さらに以前から維新府政に批判的だった共産なども候補を立てず、府知事選は維新と反・維新の一騎打ちとなった。
前回は松井氏が、自民などが推す栗原貴子氏にダブルスコアで圧勝したが、今回は接戦も予想される情勢だ。
府議選では、現職の3人は安威川ダムや西河原西交差点の立体交差化、中心市街地の活性化などを掲げており、府市の二重行政を解消する都構想を除けば政策に大きな違いはない。
中心市街地の活性化に関連して、松本氏は中心市街地の一方通行化などを掲げているほか、中野氏は阪急茨木市駅とJR茨木駅前の再整備加速を打ち出す。占部氏は都計茨木寝屋川線の整備による渋滞解消に触れている。
他方で新人の山下氏と浅藤氏は、福祉の拡充や反カジノなどを掲げており、開発にも批判的だ。
前回の府議選は、維新ブームに乗った松本府議が3万票超を集め、トップ当選。しかし翌年の茨木市長選では、2期目に挑む維新の木本保平市長に不祥事が発覚した。
維新の茨木支部も木本氏の支援をめぐって分裂。足立康史衆院議員と松本府議は新人の福岡洋一氏を推薦した結果、福岡氏が当選し、木本氏は落選した。
その後、親族が滞納した市税の徴収に介入した疑惑で開かれた百条委員会の際には、足立議員も松本府議も木本氏を擁護する発言を行った。
こうした一連の動きが、有権者の選択にどのような影響をあたえるか注目される。一昨年の市議選では維新が大きく退潮している。
そもそも福岡洋一市長は青年会議所のつながりで占部氏が担ぎ出したとされており、維新は次期市長選に向けて独自候補を模索するという観測もある。
福岡市長は松本氏を含めた現職の3人に推薦を寄せているが、足立議員や維新の市議が昨年の災害対応について茨木市政への批判を強めており、今後市長との対立姿勢を明確にすることもありえる。
しかし、松本氏が大きく票を減らし他の候補がトップ当選するようであれば、来春の茨木市長選では、福岡洋一市長への対抗馬も擁立しにくくなる可能性もある。
大阪府知事選挙
小西ただかず(小西禎一)・無所属/自民党・公明党・連合大阪推薦(64)
吉村洋文・大阪維新(43)
大阪府議会議員選挙(茨木市・定数3)
山下けいき(山下慶喜)・無所属/自由・社民・新社会推薦(66)
中野つよし(中野剛)・公明党(46)
あさとうまさし(浅藤雅志)・共産党(49)
うらべ走馬(占部走馬)・自民党(34)
松本としあき(松本利明)・大阪維新(69)