政治に翻弄される茨木市内の開発案件


先月28日に衆議院が解散され、総選挙の日程は3連休明けの10日公示、22日投開票で決まった。

東京都知事の小池百合子氏を軸に政界再編が始まったことで、茨木市を含む大阪9区では立候補者の顔ぶれが決まらない。

選挙結果次第では茨木市政界のパワーバランスが崩れ、茨木市の開発案件に影響が出そうだ。

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小池都知事が「希望の党」を立ち上げ、民進党を事実上吸収する動きを見せたことで選挙の構図は混とんとしている。

さらに小池氏は「三都物語」と称して大阪府の松井一郎知事や愛知県の大村秀章知事との連携を決めた。

大阪では希望の党が日本維新の会の対抗馬を立てないと決めたことで、大阪府内で民進党から出馬を決めていた候補も行き場を失いつつある。

茨木市や箕面市を含む大阪9区では民進党が森村ヒロム(廣)氏を公認する予定だったが、実際に出馬できるか微妙な情勢だ。

大阪9区では、現職の原田けんじ(憲治)氏(自民党)と比例復活組の足立康史氏(日本維新の会)に加えて、社会民主党の服部良一氏が大阪8区からの鞍替えで立候補する見通しだ。

野党共闘を訴える共産党は、山元たけし氏の立候補予定を撤回し服部氏の支援に回ることになった。

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すでに各陣営は選挙に向けて動き始めている。週明けの月曜朝から原田氏は茨木市少年軟式野球連盟大会であいさつするため、茨木市内に入った。自民党の市議らも自民党支部の宣伝カーで市内を回って解散の意義を訴えた。

足立氏もすでに中央通りの贈答品専門店跡地に選挙事務所を確保した。前回の市長選挙で木本保平氏が選挙事務所を置いた物件だ。

急きょ鞍替えが決まった服部氏も9月末に舟木町のマンション1階に事務所を開いた。1月の市議選で山下慶喜(けいき)市議が選挙事務所として使った物件だ。

森村氏も大阪9区からの出馬を模索しているようだが、情勢は予断を許さない。

森村氏も予備自衛官であるなど、民進党の中では右派とみられ、他の選挙区から希望公認で出馬する可能性もある。

ただすでに大阪9区で地ならしをしてきただけに無所属などで立候補を強行した場合、保守票が原田・足立・森村で割れる可能性もある。

漁夫の利で社民・共産の統一候補である服部氏が当選する可能性もみえてくる。リベラルで反開発色の強い服部氏が地元選出代議士となると、茨木市の開発案件を進める中で中央省庁との連携がとりにくくなる可能性も出てきそうだ。

阪急茨木市駅西口の再開発も最終局面を迎えつつあるとみられるが、急ブレーキがかかる恐れもある。

大阪9区で出馬を検討する方々(敬称略)
原田憲治(はらだ・けんじ)=自民党、(党)副幹事長
足立康史(あだち・やすし)=日本維新の会
服部良一(はっとり・りょういち)=社会民主党、共産推薦
森村廣(もりむら・ひろむ)=民進党、(党)支部長

JR茨木駅西口で再開発協議会が発足


7月下旬にJR茨木駅西口周辺地区の再整備のための再開発協議会が発足していたことが分かった。

茨木市と西駅前町4番地の茨木駅前ビル、駅前広場の南側の西駅前町1・2番地、関係者の間で「北東三角地」と呼ばれている西駅前町3・4番地の権利者、JR西日本が参加しているとみられる。

茨木駅前ビルでは2014年から管理組合が、耐震改修や自主建替えも視野に、再整備手法について勉強会や検討を重ねてきた。1月には管理組合が再開発推進決議を行い、2月には同ビル管理組合の代表者が茨木市の福岡洋一市長に、再開発の要望書を提出している。

しかし駅前ビル以外の再開発対象地区では、2016年ごろから市街地新生課から権利者に再開発への参加意向を打診する程度で、これまでに再開発について目立った動きはなかった。

そのため当面は再開発の協議ではなく、再開発の手法や進め方などについて茨木市市街地新生課からの説明を軸に進められているようだ。

JR茨木駅エスカレーター、10日から順次終日運転


JR茨木駅で新設工事中のエスカレーターが10日から順次終日運転を開始する。9月11日からは3基のエスカレーターを全て終日運転する予定だ。

またエスカレーター設置工事とトイレ改修工事が完了するため、9月下旬には現在京都方面に仮設している改札口・階段やトイレを閉鎖して撤去を開始する。

来春に予定されているエキナカ商業施設の開業に向けて工事はヤマ場を越えることになる。

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JR茨木駅では大阪方面の1番・2番ホームに上り・下り各1基、京都方面の3番・4番ホームに上り2基・下り1基のエスカレーターを設置する工事が進んでいる。現在は朝晩のラッシュ時に一部エスカレーターを運転している。

10日から3番・4番ホームの上り1基、23日からは1番・2番の下り1基を終日運転する。さらに9月11日にはすべてのエスカレーターを終日運転する。9月24日からは現在改修中のトイレも使用を開始する。

エスカレーターの新設とトイレの改修が完了したため、高槻・京都方面に仮設していた改札や階段・トイレを23日で閉鎖し撤去する。

撤去された仮設改札口やトイレのスペースには来春エキナカ商業施設が開業する予定だ。商業施設の開業で2015年3月に始まったJR茨木駅リニューアル工事は完了する。

JR西日本や茨木市の関係者の口は堅く、商業施設の内容については一切明らかになっていない。

キオスク機能を補完するコンビニエンスストア、軽飲食やファストファッションが出店するとみられており、近隣の飲食や商業関係者は警戒を隠さない。

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また来春にはJR茨木駅と摂津富田駅の間に新駅が開業する。JR西日本は8日、新駅の名称が「JR総持寺」に決まったと発表した。

すでにホームの基礎工事は終了しており、上屋の建設が進んでいる。
JR総持寺駅工事

JR総持寺駅工事

JR総持寺駅工事

JR西日本は来春開業としているが、通常新駅はダイヤ改正と同時に開業するため、JR総持寺駅開業は来年3月3日(土)の公算が大きい。

JR茨木駅エキナカ商業施設の開業がダイヤ改正と同時になるかは不明だが、来春のダイヤ改正ではここ数年取りざたされているJR茨木駅への新快速停車が実現するかも焦点となりそうだ。

12月15日(金)とみられるダイヤ改正の発表ですべてが明らかになりそうだ。

JR京都線、摂津富田~茨木駅間新駅の駅名決定について

JR茨木駅‐エキスポシティ路線のバス減便へ


阪急バスは8日からJR茨木駅とエキスポシティを結ぶ路線で運行する急行便を朝と夜にそれぞれ3本減便する。この路線を共同運行する近鉄バスの各停便の運行は変更しない。

今回減便するのはJR茨木駅発の朝7時台の1本と8時台の2本、20時台の2本と21時台の1本、エキスポシティ発だと朝8時台の2本、9時台の1本、20時台の1本と21時台の2本だ。

この減便の影響で最終便の発車時刻がJR茨木駅発は21時25分から21時10分に、エキスポシティ発は21時50分から21時35分に、それぞれ15分繰り上がる。始発便はいずれも近鉄バスが運行しており変更はない。

今回の減便の背景には、エキスポシティへのアクセスとしてバスの利用が低迷していることがありそうだ。運行の遅れが少なく早朝や深夜の時間帯でも運行しているモノレールに客が流れているようだ。

大阪モノレールが発表している一日あたり旅客数は2014年6月は107,882人、2015年6月は114,985人だったが、エキスポシティ開業後の2016年6月には132,235と13万人を超え、開業景気が一巡した2017年も132,823人と微増している。

開業後は一日あたり約2万人、年間で700万人が増えている計算だ。彩都の開発が進んでいることによる増加もあるが、エキスポシティの来場者がモノレールを利用していることがうかがわれる。

また阪急バスが運行しているのは急行で、JR茨木駅と日本庭園前の間にある停留所には止まらない。穂積地区や春日丘地区などの「住民の足」にはなりにくく採算が取りにくいことも減便の理由だ。

JR茨木駅西口ペデストリアンデッキ「いばらきスカイブーメラン」に


茨木市はJR茨木駅西口のペデストリアンデッキの愛称を「いばらきスカイブーメラン」に決めた。JR茨木駅西口の住民から「東口ばかりが優遇されている」と苦情があったため、まずはペデストリアンデッキに愛称をつけることにしたもよう。

東口のペデストリアンデッキの形状がパレットに似ていることで「いばらきスカイパレット」という愛称になったため、西口のペデストリアンデッキの形状に似ているものを探したという。カーブしている形状がブーメランに似ているという声があり、「スカイブーメラン」としたという。

関係者の間では「愛称よりもほかに整備するべきものがあるのではないか」と指摘があったものの、再開発をひかえて新たな投資を避けるべきという声が大勢を占めた。そのため費用がほとんどかからない施設への愛称付与で時間稼ぎすることになった。

福岡洋一市長は、6月市議会で「JR茨木駅西口のペデストリアンデッキの愛称を定める条例」を議案として提出する予定。これに対して民進党系の会派が猛反発しているという情報があるが、反発している理由は不明だ。

JR茨木駅に新快速停車のうわさ流れる


JR茨木駅に新快速が停車することが決定したという内容のうわさが流れている。ただその代わりに快速停車駅に吹田駅や岸辺駅を追加することが検討されているという。

うわさの出どころや真偽などは不明だ。うわさは今月に入ったあたりからJR茨木駅周辺の事業者などの間で流れているようだ。

1月5日に開かれた年賀交歓会でも、茨木商工会議所の合田順一会頭が新快速停車の実現にむけてJR西日本に働きかけを強化すると挨拶した。その一方で市役所側は新快速停車の実現はかなり難しいとみている。

立命館大学大阪いばらきキャンパス(OIC)、ららぽーとエキスポシティ、吹田スタジアムなど利用者の多い施設の立地が進んだほか、松下町にヤマト運輸の物流センター、彩都にも工場や物流センターが新設される計画もあり、JR茨木駅の乗降客数は増加基調とみられる。

しかし来年春のJR総持寺新駅開業や追手門学院の一部移転でJR茨木駅の乗降客数が減る可能性もある。ただJR総持寺新駅とJR茨木駅構内商業施設の開業のタイミングに合わせてJR茨木駅の新快速停車が実現するとの見方も多い。

吹田駅や岸辺駅への快速停車は、以前からうわさされてきた。千里丘駅から吹田駅の間にあった吹田操車場(49.6ha)の跡地活用が進んでいるためだ。

梅田貨物駅の機能を移転して、吹田貨物ターミナル駅に再編する工事が2013年春に完了した。残りの23.0haでは吹田市と摂津市、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)西日本支社が「吹田操車場跡地のまちづくり」を計画している。

吹田市・摂津市は「吹田操車場跡地まちづくり全体構想」で「緑と水につつまれた健康・教育創生拠点」という基本方針を示している。

吹田市立吹田市民病院と国立循環器病センターが岸辺駅前に移転するほか、JR西日本も駅北口にホテルやレストランの入る商業ビルの開発を決めている。また千里丘駅寄りに住宅や、吹田駅寄りに公園も整備される予定だ。

岸辺駅南側の大日本インキ(現DIC)工場跡にはグローバル・ロジスティック・プロパティーズが物流施設「GLP吹田」の建設を進めている。通販大手のアスクルが一括借り上げして今年末にも「ASKUL Logi PARK 関西」として稼動する予定だ。

乗降客数の大幅な増加が見込まれることから、岸辺駅に快速が停車することになる可能性がありそうだ。

JR茨木駅西口BTバス降り場の段差解消着工


茨木市は、JR茨木駅西口バスターミナルのバス降り場の段差を解消する工事に着手した。予定では工事は17日(金)まで行われる。

工事は8日からの予定だったが、本格的な工事は9日からはじまった。
1703JR茨木駅西口バス降り場段差解消工事
茨木駅前ビル南側のバス降り場の植栽やベンチを撤去し、車道と歩道の段差をなくす。足が不自由だったり、車いすのバス利用者がスムーズに歩道に上がれるようにする狙いだ。
1703JR茨木駅西口バス降り場段差解消工事

茨木市は阪急茨木市駅南側の東西通り(都市計画道路茨木鮎川線)に面した阪急茨木南口バス停でも同様の段差解消工事を行っている。また東西通りなどで点字ブロックの設置を行っている。

いずれも道路など公共空間のバリアフリー化を推奨している国土交通省のガイドラインに沿ったものだ。

近隣への配布文書
1703JR茨木駅西口バス降り場段差解消工事

福岡洋一茨木市長 施政方針説明で開発路線継続を表明


福岡洋一茨木市長は、茨木市議会3月定例会の初日となる3日、施政方針説明を行った。財政の見通しに厳しい見方を示しながらも、健全性を維持しつつ開発路線を継続することを明言した。

JR茨木駅・阪急茨木市駅の両駅西口再整備の推進や、市南部の広域幹線道路沿いの開発の継続について言及したほか、東芝スマートコミュニティ構想についても触れた。

JR茨木駅・阪急茨木市駅の駅前再整備については交通結節点の機能強化と市の玄関口にふさわしい空間をめざして関係者と協議を進め、具体化を推進する。またスカイパレットなどを活用した公共空間活用の社会実験を継続する。

市南部の広域幹線道路沿いの市街化調整区域については、目垣地区で都市区画整理準備組合と調整しながら都市計画を見直すという。目垣・南目垣・東野々宮地区ではセブン&アイ・ホールディングスと竹中土木のジョイントベンチャーがパートナーとなって商業施設や物流拠点の開発を検討している。

セブン&アイ・ホールディングスはショッピングセンター業態のアリオについて新規計画を中止したと報じられているが、それには含まれない可能性もある。

いっぽうで平田・玉島・野々宮地区については触れられておらず、日本エスコン、清水建設と平和堂のジョイントベンチャーが進める温浴施設や商業施設の開発は頓挫しているようだ。地権者との調整が難航しているという。

福岡洋一市長は、JR総持寺新駅に関連して東芝スマートコミュニティ構想について触れた。茨木市東部の太田東芝町や城の前町の東芝大阪工場跡地で進む同構想について、東芝の経営危機で実現が不安視されているが現状では変更がないことを明らかにしたことになる。

また、福岡市長は茨木市の最重要課題として、「市民の心のよりどころ」である市民会館の跡地活用と待機児童問題を挙げた。

市民会館の跡地活用については、引き続き市民の声を吸い上げながら活用方法を探るという。待機児童はゼロを目指し、認定こども園の新設も進める。

1月の茨木市議選で、木本市政で与党だった維新が勢力を減らし、福岡市長に好意的な自民・民主・公明などが勢力を維持したことで支持基盤が安定し、独自施策がみられつつある。

空き家対策や北摂7市3町で図書館の広域利用、海外進出・EC(電子商取引)支援などの企業支援、川端康成を顕彰する文学賞の新設、来年の市制施行70周年に向けて選定されたブランドのロゴやメッセージを活用した魅力発信などの新規施策にも触れた。

さらに木本保平前市長の不祥事を念頭に、茨木市長等政治倫理条例の制定、法務コンプライアンス課の新設、財産調査の徹底などによる市税の滞納整理の適正化の推進も明らかにし、弁護士出身市長の本領を発揮した。

【速報】福岡洋一茨木市長、JR茨木・阪急茨木市 駅前再開発推進を明言


福岡洋一市長は施政方針説明で、JR茨木駅西口と阪急茨木市駅再開発について、交通結節点であり、市の玄関口として再整備を進めると述べた。

阪神大震災から22年、茨木市内で過去最大規模訓練


阪神・淡路大震災から22年となる1月17日、茨木市は過去最大規模の市全域防災訓練(シェイクアウト訓練)を実施する。実施発生(想定)と同時に、取るべき3つの行動(まず低く、頭を守り、動かない)を取るという。

このあと午前11時に「有馬-高槻断層帯」を震源とした直下型地震(市内最大震度7)が発生し、ライフラインが途絶、家屋倒壊など甚大な被害が発生したという想定で訓練を行う。

茨木市内では39の企業や団体3,378人、69の学校など32,848人、21の自治会や自主防災組織5,786人、69の行政機関や福祉団体など8,418人ほか個人も参加する予定だ。

午前11時に市内一斉に屋外スピーカーで、地震発生を想定した訓練開始の合図を行い、午前11時3分ごろには緊急速報メール(エリアメール)を発信する。

茨木市内、とくにJR茨木駅周辺では1970年の大阪万博時に整備されたビル、マンションが多く残る。旧耐震基準で設計されているうえに、建設から50年近く経過している。今後建替えなど更新が大きな社会問題となりそうだ。

JR茨木駅西口でも茨木駅前ビルをはじめ、岸本ビル(ステーションプラザ)や高橋ビル、茨木グランドハイツ、メゾン茨木西駅前などの建築物で老朽化が著しい。

JR茨木駅西口や阪急茨木市駅西口の駅前は再開発が進む見通しだが、他の地区では自主建替えやデベロッパーによる再開発が求められる。行政によるあっせんなども必要になるだろう。