西駅前町5の元養老乃瀧・セブン-イレブンのビル建替えへ


居酒屋の「養老乃瀧JR茨木店」とコンビニ「セブン−イレブン茨木西駅前町店」が入居していた西駅前町5のビルが建替えられることがわかった。

4月中に解体工事に着手し、延べ床面積約1200平米の鉄筋コンクリート造8階建ての複合ビルを建設する。すでに近隣に解体工事を通知する文書を配布している。

竣工は2018年とみられる。診療所・事務所・共同住宅など24戸が入居する予定。

建築主は合同会社ユーズビル(吹田市)。設計はレイ建築設計事務所(大阪市中央区)、施工は金澤工務店(大阪市都島区)。

このビルでは、もともと養老乃瀧とハンバーガーチェーンのマクドナルドが営業していたが、2010年夏ごろマクドナルドが閉店した。その跡地にセブン-イレブンが開業していた。

養老乃瀧とセブン-イレブンも2015年秋に相次いで閉店・退去していた。セブン-イレブンは近隣の複合ビル「GRANDCHOKYU茨木」(春日1丁目4)に「セブン-イレブン茨木春日1丁目」として移転している。

その後空きビルとなっていたが、2016年10月に湯川クリニックが、平成30年に移転する予定だと掲示していた。湯川クリニックは西駅前3の複合ビル「アルシュ」にある皮膚科などを専門とする診療所だ。

新しいビルの建築主・ユーズビルは2016年9月27日に設立されており、代表社員は湯川クリニックの院長だ。現ビルの購入と新ビル建築を目的に会社を設立したようだ。

現在の診療所がある「アルシュ」は、茨木市などが進める「JR茨木駅西口駅前周辺整備」による再開発地区に含まれる見込みだ。湯川クリニックも再開発地区内で診療を続けようとすると少なくとも2回は移転することになるため、先行して自社ビルの取得を決めたとみられる。

堅調なJR茨木駅西口の商業物件の動き


昨年から商業物件の引き合いが増えているJR茨木駅西口では、引き続き堅調な動きが続いている。既報のとおり茨木駅前ビルのりそな銀行茨木西支店跡地にはカラオケボックスがオープンする。茨木駅前ビルのほか、周辺ビルでも新たなテナントが入居する動きがみられる。

昨年3月に田畑ビルに移転したりそな銀行の跡地には、カラオケボックスが7月にオープンする。屋号は「カラオケセブン」。すでにプレオープンしているが営業時間を短縮して「慣らし運転」を行っているもよう。

また、このカラオケボックスの向かい側の岸本ビル(ステーションプラザ)では、タバコ店の跡にタイ料理店が7月にオープンする予定。タイ人シェフによる本格的な味が女性を中心に人気となった「レモングラスハウス」という店だ。大阪市北区の中崎町から店を移す。オーナーシェフの家族がかつて茨木に通学していたため、土地鑑のある茨木を選んだようだ。

そのほか、5月中旬にはJR茨木駅東口の喫茶店「ぶいえいと」が西口の西駅前町に新たにバル業態で支店を出した。また茨木駅前ビルでも2月ごろに退店したバーの跡に居酒屋がオープンしている。昨年末に閉店した天ぷら屋跡地も強気な家賃設定ながらすでに数件の問合せがあるという。

周辺でも府道枚方茨木線沿道の中穂積交差点近くのシャトー春日第一ビルのから揚げ専門店が4月に退店したが、跡地で新たなテナントが工事に入った。

いっぽうでオフィス物件の動きは鈍いという。小規模オフィスの需要は多いが、JR茨木駅西口ではオフィス物件の供給は少ない。マンションの部屋が小規模オフィスとして利用されている物件も複数ある。それにもかかわらず田畑ビルの3階フロアは昨年春の竣工以来テナントが入らない。フロア面積が大きいことが敬遠される理由だ。

ただ、今後茨木駅前ビルや岸本ビル(ステーションプラザ)などのある西駅前町3番、丹波屋などがある西駅前町2番などの再開発計画が具体化してくれば、再開発地区にあるオフィスの仮移転先として需要が出てきそうだ。