茨木市副市長人事で開発案件の予算確保に課題


5月11日に河井豊氏が副市長に選任された。企画財政など財政も担当する。楚和敏幸前副市長は任期満了での退任とされるが、開発に積極的な木本市政で財政規律を守りつつ開発の予算を捻出する役目も負ってきた。福岡洋一市長が木本保平前市長派を更迭したとの見方もある。

5月10日に茨木市議会は臨時会で副市長選任案と教育長任命案に同意した。副市長は固定資産評価員を兼任する。人事案が同意されたことで前副市長の楚和敏幸氏が退任し、5月11日付けで副市長は河井豊氏、教育長は岡田祐一氏が就任した。河井氏は前教育長だった。

茨木市の副市長は2名。茨木市副市長事務分担規則で部単位で職掌が定められている。1名が総務、企画財政、市民文化、健康福祉及びこども育成の各部、消防本部、会計室、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員及び固定資産評価審査委員会を担当。もう1名が産業環境、都市整備、建設、水道の各部、農業委員会を担当している。

今回交代した副市長は総務・企画財政各部などの担当。退任した楚和氏は4年の任期で副市長を務めてきた。2012年5月10日に茨木市議会臨時会で同意されて、就任直後の木本保平前市長が選任した。楚和氏は財政課長や企画財政部次長を経て、2009年からは企画財政部長だった。

今回就任した河井氏は今年1月31日に企画財政部長で退職し、2月1日教育長に就任していた。それからわずか2か月余りでの副市長起用となった。福岡洋一市長が木本色の一掃を図ったとの見方もある。

楚和氏は、企画財政担当の副市長として開発に積極的な木本市政で財政規律を守りつつ開発の予算を捻出してきた。木本氏は「私(木本氏)はアクセル(中略)楚和副市長や河井企画財政部長はブレーキ」「財政については全幅の信頼を置いている楚和副市長に一任をしてると言っても過言ではないほど信頼」などと答弁したほどだ。

都市整備、建設の各部も担当する副市長は昨年選任された大塚康央氏。茨木市役所で都市整備部長などを経て、昨年4月に就任した。木本氏も「私と大塚副市長はアクセル部分で、楚和副市長がブレーキ部分」と答弁するなど、木本市政の積極開発を支えてきた。

楚和氏は、木本氏とは関西大学の同窓生で関係が深かったとされる。大塚氏は同志社大出身だが、木本氏とは茨木高校で同窓。木本市政で両副市長はそれぞれの立場から木本氏の開発路線を支えてきたといえる。

福岡市長が財政を担当する副市長を交代させたことで、予算配分の方針が変わり、開発案件の裏づけとなる予算が確保できなくなる可能性が出てくると危惧する声もある。