茨木市長選は非維新の福岡・維新の寺元が一騎打ち


茨木市長選挙が5日告示され、現職で無所属の福岡洋一(44)、新人で大阪維新の会公認の寺元博昭(58)の各氏が立候補を届け出た。12日に投開票される。市長選と同時に市議会議員補選も実施される。

前回は自主投票に甘んじた維新が、国土交通省出身で「まちづくりドクター」を標ぼうする寺元氏を立てたことで、双方の陣営が駅前再開発などまちづくりを重点施策に位置付けている。

どちらの候補が当選しても、阪急茨木市駅とJR茨木駅西口の再開発に大きく弾みがつきそうだ。


現職の福岡氏は自民・公明・立憲民主・連合大阪などが推薦や支援をしているほか、新社会党から市議補選に立候補した元職の山下けいき氏や共産党も福岡氏寄りの姿勢をみせている。

共産党すら福岡市長に配慮を見せている。

他方で新人の寺元氏は大阪維新の会が公認しており、保守からリベラルまで広範な非維新勢力と維新の総力戦となっている。

共産党が首長選に独自候補を立てないのは異例だが、その背景には大阪府の政治状況がある。昨年の統一地方選で大阪府知事・大阪市長のダブル選挙と大阪府議選で維新が地滑り的勝利を収めた。

今秋には大阪都構想の住民投票が予定されているほか、IR誘致や大阪・関西万博など維新が主導する政治的イベントが目白押しで、他党が存在感をしめせずに埋没する可能性が大きい。

勢力の回復を目指す他党が危機感をいだいて結集した形だ。IR誘致では強い拒否感をあらわすリベラル勢力も、ともすれば自民以上に保守的な維新への反発を強めており、それが福岡氏寄りの姿勢につながっているようだ。


しかし、福岡陣営も新市民会館建設に関しては評価が大きく割れそうだ。自民・公明・いばらき市民フォーラム・米川勝利市議などは4年間の福岡市政の成果として宣伝しているが、共産や市議選補選に立候補した山本よし子氏は、費用が高額で無駄遣いだと批判している。

維新も、周辺他市の市民会館建設に比べて費用が高額であることや、設計・施工業者との癒着の疑惑を訴えて、計画を停止し駅前再開発とワンセットで建替えすることを提案している。

2020年3月維新プレス2-1


前回の市長選では、維新出身の木本保平市長(当時)に不祥事が取りざたされたことから、維新は自主投票を決め、茨木市支部長の足立康史衆院議員と松本利明府議も福岡市長を支持した。

今回維新は、国土交通省出身で、内閣官房で全国のまちづくりにも携わった寺元氏を独自候補として擁立したことで、阪急茨木市駅・JR茨木駅の各駅西口の再開発が双方の陣営の重点施策に格上げされた。

当初福岡氏は、救急医療体制の充実と中学の給食完全実施など子育て支援などを優先的に訴えるとみられていた。
2020年1月自由民主茨木市長選・市議選W選挙福岡洋一市長意見交換

2020年1月自由民主茨木市長選・市議選W選挙福岡洋一市長意見交換


足立議員と松本府議が福岡市長から離反したことを、心情的に批判する声もあるようで、維新は「デマにご注意ください!大阪維新の会は、現市長を一度も公認・推薦しておりません。4年前の市長選では『自主投票』とし、党として特定の候補者を支援したことはありません。」と、火消しに躍起だ。

2020年3月維新プレス1-4

そもそも今回の市長選挙は、足立議員と自民党の占部走馬府議の代理戦争という側面もある。もともとは占部府議が青年会議所の人脈から発掘したのが福岡氏だったが、木本前市長の不祥事で足立氏や松本氏が相乗りした。

その福岡氏を自陣に取り込もうとする動きをきっかけに、足立議員と占部府議がSNS上で中傷合戦を展開し、それがもとで互いが名誉棄損で提訴するなど、法廷を舞台に泥仕合になっている。

先月末にも足立議員の事務所のそばの歩行者専用道路に、維新の選挙カーが長時間駐車されていると、占部氏がツイッターで指摘するなど、水面下で小競り合いが続く。

自民も維新も政策の軸は重なる部分が多く、取り込みたい有権者も重複している。それだけに「商売敵」として近親憎悪も強い。

福岡氏は、等距離外交も模索していたようだが、結果的に足立氏は、福岡市長が行政経験に乏しい素人で市職員などの操り人形と化しているとして、独自候補の発掘に動いた。
2020年3月維新プレス茨木市長選寺元博昭

足立康史衆院議員松井一郎大阪府知事応援演説に駆けつけた福岡洋一茨木市長
写真=足立衆院議員の演説に駆け付けた福岡洋一氏


新型コロナ肺炎の感染拡大が選挙活動に暗い影を落としている。双方の陣営ともに決起集会が中止に追い込まれた。辻立ちや街頭演説なども自粛ぎみだ。

選挙カーで市内を巡回するのが活動の中心になれば、政策を訴えることは難しく、党派と知名度だけがパラメータとなってくる。

また外出の自粛要請で投票率も低迷する可能性が大きく、組織票が選挙の結果を大きく左右しそうだ。


現職の福岡市長は、市の広報「いばらき」などにも積極的に顔出ししているほか、イベントなどもこまめに回っており知名度が高い。

市税を滞納する親族への便宜供与の疑いが発覚した木本前市長を破った福岡市長は、弁護士でもありクリーンイメージもある。市民会館の建替えの計画段階では市民100人会議を行うなど、開かれた市政を目指してきた実績もある。

四面楚歌の維新新人の寺元氏にとっては不利な選挙だけに、異例のネガティブキャンペーンで浸透を図る。強い表現は、有権者の離反を招くリスクもあるが背水の陣で市長の椅子に挑む。

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