足立氏、茨木の自公切り崩しへ


 19日に公示された衆院選は、投開票まで残り1週間になった。茨木市を含む大阪9区には、自民党の現職で元防衛副大臣の原田憲治(73)、社民党の新人で党副党首の大椿裕子(48)、日本維新の会の現職で党幹事長代理の足立康史(56)、無所属の新人で医師の磯部和哉(49)の四氏が立候補した。
隣り合う原田憲治衆院議員選挙事務所・足立康史衆院議員選挙事務所写真=ほぼ隣接する原田憲治候補と足立康史候補の選挙事務所
 選挙の結果次第では、大阪9区では自民党の衆院議員が不在となる。市長が比較的自民党と近く、市議会でも維新に比肩する勢力を占め、府議会にも議席を持つ茨木市の自民党勢力が数年以内に切り崩されることもありそうだ。


 マスコミ各社の序盤情勢分析によれば、原田、足立両氏が他候補を引き離し接戦を演じているという。特に維新の足立氏は、コロナ禍対応で評判を上げた吉村文洋大阪府知事の人気もあり、有利に戦いを進めているとみられる。
吉村洋文府知事を前面に出す足立康史衆院議員のポスター写真=吉村洋文府知事を前面に出す足立康史衆院議員のポスター
 いっぽう原田氏は、自民党の「73歳定年制」により比例代表に重複立候補できず、小選挙区で敗れれば復活はない。足立氏の地盤でもある茨木を中心に選挙区をくまなく回るローラー作戦を展開し、背水の陣の構えだ。


 前回の衆院選でも足立氏は原田氏に約2000票差まで詰め寄っていたが、昨年以来、箕面と池田では市長選を維新が制しており、足元で勢いが増している。特に池田市長選挙は、市長室へのサウナ持ち込みなどで維新の富田裕樹前市長が辞職したことによる出直し選挙で、富田氏の元秘書で前市議の滝沢智子氏が当選しており、維新への追い風が吹いている。
 維新の松井代表や足立氏とSNSなどで中傷合戦を繰り広げ裁判沙汰になった大阪9区の府議団も、昨年11月に実施された大阪都構想の住民投票でも自民党の原田亮(箕面市)・占部走馬(茨木市)の両氏が都構想賛成に回るなど、原田氏を支える組織にきしみがみられる。
 国政では自民と連立を組む公明も、2019年の府議選で維新が圧勝したことで、大阪都構想の2回目の住民投票では都構想に賛成しており、前回の総選挙よりも自民党府連との距離は開いている。
 また、岸田文雄政権では公明と近いとされる二階俊博前幹事長が失脚しており、反公明と目される甘利明氏が幹事長に就任していることから、支持母体の票をまとめ切れるか不透明だ。
 このまま足立氏が逃げ切って小選挙区で当選すれば、自民党は大阪9区を地盤とする衆院議員が不在となる。


 大阪9区の自民党衆院議員が不在になれば、下部組織も弱体化する可能性がある。地元選出の代議士が不在となれば、自民党の茨木市支部は府議選、市長選、市議選と2023年から3年間連続する地方選挙で厳しい戦いを強いられそうだ。


 2021年3月に足立氏は選挙区内に掲示したポスターで、2023年に予定される次の府議選で茨木市選挙区には二人の候補を擁立すると明言した。現職の松本利明府議とは別に候補を公募するという。
 茨木市選挙区は定数3を、維新の松本氏、自民の占部氏と公明の中野剛氏が議席を分け合っており、維新が2議席を占めれば、手堅く票をまとめる公明よりも自民が議席を失う可能性がある。中傷合戦で裁判相手となった占部走馬府議に対する揺さぶりであると同時に、都構想には賛成しただけに秋波を送っている可能性もある。


 原田氏の選挙事務所は、占部府議の事務所を使うなど強固な関係をアピールするが、原田氏が「ただの人」になれば、占部氏が切り崩されることもありえる。
 自民党の茨木市支部のスポンサーである占部氏が自民から離脱することがあれば、茨木市の政治勢力図はオセロゲームのように、一気にひっくり返ることになる。そうなれば福岡洋一市政で野党色を強めていた維新が福岡氏を取り込んで公認するか、独自候補を擁立することで、与党に返り咲くこともありえる。


 茨木市議会では維新、公明、自民の勢力が拮抗しており、福岡市長も各党も大胆な政策を打ち出しづらい状況だ。
 もし茨木市の自民勢力が維新に同調したり、取り込まれることがあれば、成長志向が強く、開発に積極的な勢力が結集しすることになる。そうすれば、公明党や共産党など分配への志向が強く、開発に消極的な勢力を抑えて、JR茨木駅西口や阪急茨木市駅西口の再開発が大きく進展する可能性もありそうだ。

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