新人5人が競う衆院選の大阪9区は、維新の新人萩原佳氏が当選確実となった。
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衆院選、大阪9区は新人5人の争い
10月27日投開票の衆議院選挙がきょう公示された。茨木市を含む大阪9区では、社民党公認の長崎由美子(68)、日本維新の会の萩原佳(47)、参政党公認の片岡真(33)、自民党公認・公明党推薦の東田淳平(41)、無所属の磯部和哉(52)の新人5氏が立候補している。
日本維新の会現職の足立康史氏(59)は、党内の公選法違反を指摘したことで6か月の党員資格停止処分をうけて公認されなかったうえ、対抗馬として茨木市議だった萩原氏が公認されたことで、政界引退を決めた。
10月6日、足立氏はX(旧ツイッター)で衆院選からの撤退と政界引退を表明した。8日には日本維新の会は、萩原氏の公認を発表した。
本日、日本維新の会が衆議院大阪9区に公認候補を擁立することを決定しました。ついては、これをもって、私は、来たる衆院選から撤退し、9日の衆院解散をもって政治から引退することを決めました。…
— 足立康史 前衆議院議員 (@adachiyasushi) October 6, 2024
足立氏が出馬して日本維新の会系が分裂する可能性も指摘されていたが、ひとまず分裂は回避した格好だ。ただ萩原氏の選挙ポスターの掲示が他候補に比べて出遅れており、ポスターの準備が間に合っていないか、支援組織の態勢が整っていない可能性がある。
長崎氏と片岡氏の支援者は茨木市内全域でいち早くポスターを掲示を済ませている。東田陣営も茨木青年会議所のメンバーなどが手分けしてポスターの掲示を進めている。
選挙戦は萩原氏と東田氏を軸に進むとみられるが、維新は兵庫県の齋藤知事によるパワハラ問題の対応や万博運営をめぐるごたごたで支持を落としている。自民党も統一教会や裏金の問題で強い逆風が吹く。
選挙戦の行方は混とんとしているが、萩原氏も東田氏も阪急・JR駅前の再開発には積極的だ。萩原氏は市議として再開発の動きの遅さを再三指摘してきた。
東田氏は、茨木市の福岡洋一市長が推薦しており、自民党や公明党の市議団と連携して茨木市政の「与党」側にいるため、再開発の動きを国政からバックアップできそうだ。
今回の衆院は、JR茨木駅西口や阪急茨木駅西口の再開発にとって大きな転機となりそうだ。
茨木市議補選、開票結果が確定
茨木市議選、川口氏と西野氏当選
茨木市議補選、自民西野・維新川口がリード
茨木市選挙委員会は午後10時現在の開票状況を発表した。
自民推薦の西野貴治氏と維新公認の川口元気氏がリードしている。
候補者名 |
午後10時00分現在 | 午後10時30分現在 | 午後11時00分現在 | 午後11時30分現在 |
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西野 貴治 | 10,500 | ||||||
川口 元気 | 10,500 | ||||||
おおみね 学 | 6,000 | ||||||
得票総数 | 27,000 | ||||||
開票率(%) | 42.95 |
茨木市議補選投票率6ポイント超下落
茨木市選挙委員会は7日夜に同日行われた市議会議員補欠選挙の最終投票率が27.18%だったと発表した。
男性は当日有権者数109,813人に対して29,517人が投票し投票率は26.88%だった。女性は当日有権者数121,428人に対し33,345人が投票し投票率は27.46%だった。
全体では231,241人の有権者数に対して62,862人が投票した。
202年4月12日に実施された市議会議員補欠選挙の投票率は、男性33.67%、女性32.88%、合計で33.26%だった。
盛り上がり欠く市議補選
3月31日に告示された茨木市議会議員補欠選挙には、届け出順に西野貴治(30)=自民推薦、川口元気(43)=維新公認、大嶺学(58)=共産擁立の3候補が立候補を届け出た。
定数2に対して候補は3人であるため、選挙戦は盛り上がりを欠く。
茨木神社で行われた西野氏の出陣式には、占部走馬府議と大阪9区支部長東田順平氏のほか、福岡洋一市長や松川るい参議議員、太田房江参議院議員などが駆け付けた。
選挙戦2日目となる4月1日には、西野氏は息子の入園式に参加。自らも子育て世代であることをアピールする狙いもあるが、表情に緊張感はない。
地元ガンバ大阪の元選手だけに知名度も高いことで選挙運動に手ごたえをつかんでいるようだ。
2日に高橋交差点周辺で行った「桃太郎」(運動員とともに街頭を練り歩く選挙活動)でも、運動員は維新の運動員に手を振ったり、大人よりも小学生にビラを渡すなど、余裕ムードが漂う。
元Jリーガーの経歴を持つ西野氏だけにスポーツを活かしたまちづくりをめざす。
維新系の知事が誕生するなど兵庫や奈良などにも維新は勢力を広げているが、茨木ではその勢いに乗り切れていない。
市議補選は、2022年7月に病気で辞職した島田あきこ氏、2023年4月に府議に転出した大野ちかこ氏の欠員を補充するものだ。
島田元市議も大野府議も維新に所属していたが、補選に維新から擁立できたのは川口氏だけだった。市長候補とも目された萩原佳市議による市職員への発言が報じられるなど、市長選には候補を出せなかった。
大阪9区支部長でもある足立康史衆院議員が党内で非主流派であることが影を落とす。松井一郎氏の引退にともなう日本維新の会代表選挙に立候補したことで政調会長からも外れるなど、足立議員の党内での発言力は低下している。
川口氏の出陣式が行われた阪急茨木市駅西口には、足立議員は駆け付けたものの、他の国会議員の姿はなかった。
3月23日におにクルで行われたタウンミーティングには、大阪維新の会代表で日本維新の会共同代表でもある吉村洋文大阪府知事と大阪維新の会幹事長でもある横山英幸大阪市長が駆け付けたが、選挙直前の日程には調整できなかった。
しかも、このタウンミーティングで吉村知事が特定のコメンテーターを名指しして万博で取材させないという趣旨の発言をしたことが炎上しており、川口氏の選挙選に水を差すことになった。
川口氏は議員の定数や報酬の削減など維新のお家芸「身を切る改革」のほか、阪急茨木市とJR茨木の両駅西口の再開発や市内道路渋滞の解消や隠れ待機児童の解消などを訴える。
大嶺氏は31日朝阪急茨木市駅東口で行われた出発式で「いのちとくらしをまもる政治を実現するため全力で頑張る」と第一声を上げた。
自民党の裏金問題や維新の万博推進姿勢を批判したほか、安威川ダム周辺に整備中のダムパークいばきたへの巨額投資の一方で、4月から国民健康保険料や介護保険料が引き上げられるとして保険料引き下げを訴えた。
ほかにもバスの路線廃止・減便対策、小中学校給食の無料化継続、休日・夜間の小児診療の復活、災害に強いまちづくりを大嶺氏は提案している。
落選は1人となると選挙戦も盛り上がらない。同時に行われる市長選が無投票になったこともあって、投票率は下がりそうだ。
【スクープ】茨木市山麓地域にAI開発拠点
茨木市の山麓地域にAI(人工知能)技術の開発拠点を誘致する計画があることがわかった。都市計画道路山麓線南側の安威地域にAI関連企業を誘致するほか、彩都東地区にデータセンターの新設をめざす。
安威川ダムで太陽光発電と水力発電を行うことで増大する電力需要をまかなうことも検討されている。シリコンバレーにあやかって安威川の愛称をAIバレーにする構想もある。
AI開発拠点を誘致するのは旧西国街道と都市計画道路山麓線と府道茨木亀岡線に囲まれた安威・西安威・南安威・耳原などのエリア。
対話型生成AIのChatGPTを開発したオープンAIや追随するグーグルやマイクロソフトのほか、半導体大手エヌディビアやアームに加えて拡張子つながりで画像処理や映像処理のアプリケーション大手のアドビの開発拠点や工場など誘致したい考えだ。
茨木市山麓地域にAI開発拠点を誘致するのは大都市の近郊地域で人口が多く、阪大や立命館大、追手門大など大学もあって人材確保がしやすいことがひとつの理由だ。最大の理由は「安威」の欧文表記が「AI」であることだ。
データセンターは彩都東地区を想定している。洪水の影響がないうえ、有馬-高槻断層帯が延びるエリアであるが免震構造とすることで影響はないとしている。
データセンターでは大量の電力を消費するが、関西電力送配電が大岩変電所を建設したことで電力の供給計画も立てやすくなっている。
ダム湖にいかだ型の太陽光パネルを設置するほか、ダムの常用洪水吐きにタービンを設置することが検討されている。
さらにダムパークいばきたに設置されるバンジージャンプを発電に活用するアイデアもある。落下によって生じる巨大な位置エネルギーを電力に変換する。利用者が絶叫する際の音声や呼吸・心拍も変換してさらに高効率に発電する技術も研究する。
AI研究の第三者の森田一義中洲産業大教授は「既存の大規模言語モデル(Large Language Models)のAIは茨木をいばらぎと誤読するなど発展途上なのでAIバレーで精度を高めてほしい。周辺の坂道もいいよね。で、髪切った?」と安威バレーに期待を示した。
茨木市長選は福岡市長が無投票再選
茨木市選挙管理委員会は4月7日に予定していた茨木市長選挙が無投票となったことを発表した。現職の福岡洋一市長(48)が再選された。
茨木市選挙管理委員会は、3月31日18時過ぎに「令和6年4月7日執行の茨木市長選挙につきましては、告示日(3月31日)に立候補の届出のあった候補者数が、選挙すべき人数を超えないため、無投票となりました。なお、茨木市議会議員補欠選挙は予定どおり実施されます。」と発表した。
市議補選(定数2)には、届け出順に西野貴治(30)、川口元気(43)、大嶺学(58)の3候補が立候補を届け出た。
茨木市長選・市議補選あす告示
任期満了にともなう茨木市長選挙が3月31日に告示される。現職の福岡洋一氏(48)が3選されるかが焦点だ。維新と共産が対立候補の擁立を断念し、無投票で再選される公算が大きい。
茨木市議会議員の補欠選挙(定数2)も同じ日程で実施される。自民、維新、共産が候補を立てる。投票日は4月7日で即日開票される見込み。
1月下旬、萩原佳市議(46)が茨木市役所の女性職員に「小学生と話しているみたい」と暴言を吐き、下野巌議長から注意されたと読売新聞が報じた。
前回の市長選でネガティブキャンペーンを展開し、落下傘候補の寺元博昭氏が敗北した維新にとって、地元出身の候補を擁立する算段が狂った瞬間だった。
萩原市議は2017年初当選の2期目。2021年の市議選では4,800超の票を得てトップ当選し、大手事務所の経験もある公認会計士で、弁護士でもある福岡市長にも対抗できる人材と目されてきた。
元日付の市政報告書チラシではネガティブキャンペーンは封印して「茨木市の政治を前に進めたい」「次の選挙では別の政治家を選んでみるということも必要」と政策を訴え、昨年末からは街頭の2連ポスターに足立康史衆院議員と並んで写るなど、維新は萩原市議を茨木市長選に擁立するとみられていた。
いっぽう現職の福岡市長は、茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」の開業や待機児童対策や物価高騰対策などを通じて市の人口増加にもつなげた実績を訴える。
選挙後にも安威川ダムの「ダムパークいばきた」の開業や中学までの学校給食の実施など教育関連の施策が実現するほか、阪急茨木市駅前の病院誘致も道筋が見えてきた。
福岡市長は、2016年の市長選で自民の占部走馬府議にスカウトされたが、大阪府や関西の政治状況が維新一強となる中、維新に脅威を感じる非維新勢力にも支持を広げている。
子育て世代を中心に無党派層にも好感を持たれており、維新側も不祥事のみそぎが済まない状態で市長選に名乗りを上げても勝ち目はないと判断したようだ。
ただ、このタイミングで暴言が明らかになったのは、市役所も萩原市議や維新の候補が市長になることを歓迎していないことが背景にありそうだ。
8年前の市長選で当時の木本保平市長が落選するきっかけとなった親族の市税滞納問題も、市役所の関係者から情報流出しない限り表ざたになるものではない。
今回の暴言についても市役所内部からマスコミにリークされたとみられる。
読売新聞によると、昨年12月に市議会の一般質問の打合せを行っていた萩原市議が、意に沿わない回答をした女性職員に「小学生と話しているみたいだ」などの暴言を吐いたと関係者が証言している。
この職員が上司に相談し、下野議長らが萩原市長に事実確認をしたうえで態度を改めるよう注意したという。
萩原市議は読売新聞の取材に発言の具体的内容は答えなかったが、職員に「不快に思われたなら申し訳ない」と謝罪したと明らかにしたという。
子どもの同級生であることから、未就学の萩原氏を知るという70代の女性は萩原氏を自己主張が強く「ちょっと変わった子だった」と語る。
そもそも維新は「統治機構改革」を旗印に掲げ、行政組織とは対決的な姿勢を取っており、市役所職員に融和的な対応ではない可能性がある。
次の市議会議員選挙で再選されるまではみそぎが済んでいないとみなされそうだ。
他方で福岡市長のトップダウンを避けボトムアップを促す手法は市職員から好評のようだ。
ある市役所職員は「市長に相談すると、禅問答のような会話になる」ことが多く、直接的な指示があることは少ないというが、職員の意向が尊重されやすいことを好意的にとらえているようだ。
その反面で有権者からは優柔不断などといった批判も漏れる。
おにクルについては市民会館の建替えは前市長時代の既定路線であり、ダムパークについては、府の事業に関連したもので福岡市政で新たに進展した事業が少ないという指摘もある。
萩原氏はこうした批判を反映して、阪急茨木市駅西口とJR茨木駅西口の再開発を進める姿勢をみせていた。さらには慢性的な道路渋滞の解消についても意欲を示していた。
萩原氏は2023年から次世代移動交通システム「Zippar」を導入することを提案しており、市政報告書チラシでも訴えていた。
「Zippar」はロープウェーのように道路などの上空に索道を設置してゴンドラを運行するもので、モノレールよりも安価に建設できるとみられる。
1月14日の新聞にチラシが折り込まれた「北大阪環状モノレール構想」について、茨木商工会議所に設置された「モノレール研究会」の委員長が木本誠一氏であることから、萩原市議への援護射撃とみる向きもあった。
誠一氏は木本興産の代表取締役で、維新推薦の市長だった木本保平氏の親族だ。
3期目の福岡市長にとっては阪急・JRの再開発や阪急茨木市駅前の病院誘致の促進などが評価ポイントになりそうだ。
市議補選は、2022年7月に病気で辞職した島田あきこ氏、2023年4月に府議に転出した大野ちかこ氏の欠員を補充するものだ。当会の調べでは3人が立候補を表明している。
自民は年明け早々に元プロサッカー選手の西野貴治氏(30)を推薦すると発表した。維新は2月中旬に足立衆院議員の元秘書の川口元気氏(43)を公認した。25日には共産党茨木・豊能地区委員会は大嶺学氏(58)の擁立を発表した。
大嶺氏は補欠選挙も含めて茨木市議の挑戦は4度目。川口氏も2015年に門真市議選に出馬した経験がある。