「不幸中の幸い」が重なった大阪北部地震


大阪北部地震の発生から1か月が経った。茨木市や高槻市・枚方市などは震度6弱の揺れに襲われた。

被害のほとんどは建物の一部や工作物に集中した。屋根などに被害が出たが全壊や半壊は少ない。4名が地震で死亡したが、倒れた塀や家具の下敷きになったためだ。

貴重な人命が失われたものの、震度6弱の地震にもかかわらず被害は抑えられたという指摘もある。広範囲にわたるインフラの被害もガスのみだった。また対応や復旧も比較的スムーズに行われたという評価も多い。

しかし、これは必ずしも大阪北部が地震への備えができていたということではない。「不幸中の幸い」がいくつも重なった結果とみられる。

短周期で継続時間も短かった大阪北部地震

専門家は大阪北部地震は短周期の揺れだったと指摘している。0.5秒以下の小刻みな揺れであったために建物の周期と一致せず、建物の倒壊は避けられたとみられる。

JR茨木駅付近でも建物の被害は瓦の崩落や、外壁の破損にとどまり、老朽化した家屋やビルの倒壊はなかったとみられる。

ただコンクリートブロック塀とは周期が一致したという。そのため、コンクリートブロック塀の倒壊で2名が死亡することになった。

また揺れの継続時間が短かったという指摘もある。震央が高槻市の城内町の地下10㎞ほどの浅いところであったため、揺れの大きかった地域ではP波とS波がほぼ同時に到達したとみられる。

そのため揺れの継続時間が短かったという。阪神・淡路大震災や東日本大震災の経験者も、大阪北部地震の揺れは短かったと証言している。

比較的狭かった被害地域

大阪北部地震は被害地域が比較的狭かった。そのため早いタイミングで周辺自治体等からの応援が期待できた。また警察や市役所などの職員も市外在住者には被害が少なく復旧の人員を確保しやすくなった。

ガスの復旧なども集中的に人員が投入されたため、当初想定の半分程度の時間で完全復旧した。工事業者など民間事業者も周辺地域から被害地域に入れるため、今後の復旧も比較的早いとみられる。

断水・停電があれば避難者や産業への影響は拡大

大阪北部地震では、インフラの影響は主にガスに限られた。高槻市や吹田市では広域で一時的に断水や濁り水が発生したが、茨木市では限られた地域だけだった。

停電も一時は府内で停電したが11時までには復旧。茨木市でも中村町で電柱に被害があったため停電が長期化したほかは、停電の影響も限定的だった。

仮に断水が広範囲で長期にわたれば、避難者は桁違いに拡大していただろう。断水すれば水洗トイレは使えなくなる。マンションやビルでは、高架水槽を使用しているため、停電でも断水が発生する。

停電でも、テレビなどで情報を得ることはできなくなる。スマートフォンも充電ができなくなれば、連絡も取れなくなる。エレベーターの閉じ込めも増え、復旧にも時間がかかっただろう。

企業や市役所等でもパソコン、コピー機などが使えなくなると、業務に支障が出たり、災害対応に遅れが出る。店舗も営業できなくなる。

ガスが使えないだけでも不便だという声は多かったが、調理は大阪ガスが無料配布したカセットガスコンロでも代替できた。また6月であったため水でシャワーを浴びることもできた。

断水・停電がほとんどなかったことが、復旧にも幸いしたといえるだろう。

被害を抑えた発生時刻

午前8時前という地震の発生時刻も幸いした。停電はなかったもののすでに明るい時間帯で、割れたガラスを踏むなどの家屋内での被害が抑えられた。

また朝食の時間を過ぎていたため、火を使っている件数も少なかった。食品工場などの調理場も稼働していなかったところも多く、火災や火傷が避けられたとみられる。

市外在住の市役所職員も公共交通機関で茨木に向かっている時間帯だったことも幸いした。数時間は電車に閉じ込められたものの、午後には最低限の職員が市役所に出勤することができた。

電車の運行停止が長期化したことで本格対応が午後からになったものの、市内在住職員などが9時すぎに災害対策本部を設置した。地震の発生が夜間や早朝であれば、当日中には必要な人員を確保できなかった可能性がある。

特に茨木市消防本部の職員は24時間勤務で8時45分が交代時間であるため、これから勤務明けの職員と勤務に入る職員が重なって対応できる人員が厚めに確保できた。

大規模な災害に備えて市の職員を市内に集中して在住させるのは、職員自身が被災するリスクを高めることにもなる。初期対応に課題は残したものやむを得ないだろう。

今回の地震を教訓に

今回の地震は「不幸中の幸い」が重なった。今後も南海トラフや上町断層、有馬-高槻断層帯の地震も想定される。今回の知見を将来に生かす必要があるだろう。

当会が以前から指摘してきた老朽化した旧耐震基準のビルの倒壊などは避けられた。しかしさらに大きな地震があれば、倒壊しない保証はない。地震に強い街づくりを進めるためにも再開発は急務だ。

大阪北部地震から1か月、地域経済への影響ジワリ


大阪北部地震から明日で1か月。茨木市内ではブルーシートが目立つほかは、ほぼ平常を取り戻したように見える。しかし水面下では地震からの復興はまだ始まったばかりだ。

茨木市内の地域経済にも影響が広がりつつある。経済面での影響は、阪急茨木市駅・JR茨木駅西口の再開発など茨木市の街づくりや中心市街地の活性化にも及ぶことにもなりそうだ。

建物の被害は1万棟近く?

茨木市内では建物の被害が1万棟に迫るとみられる。多くは半壊未満で全壊や大規模半壊はわずかだという。

家屋の被害は、茨木市によると阪急茨木市駅北東の末広町、中津町、寺田町で多いという。

南隣の双葉町などでは液状化にはいたらないものの道路の被害もあり、このエリアで揺れが大きかった可能性がある。

このほかにも旧茨木川流域周辺地区、阪急茨木市駅南側の東西通り周辺やJR茨木駅西側の穂積地区でも家屋の被害が目立つ。

その多くは屋根瓦の崩落と外壁の亀裂だ。屋根の被害については、直後から雨天が続いたものの、発災から1週間ほどでブルーシートが張られた。

しかし社会福祉協議会の運営するボランティアセンターは、まだブルーシート張りが完了していないとしており、崩れた屋根瓦が放置されたままの家屋も残っている。

ほとんどの家屋で本格的な改修工事は手つかずで、北摂地区の屋根屋(屋根工事業者)は数か月待ちという。

いっぽう商業テナントビルの対応は比較的早い。JR茨木駅東側のカラオケ店「ジャンカラ」では、地震発生から1週間ほどで足場を立てて工事が始まった。

外壁には大きな被害はなかったが、もともと寿司店「すし半」であったため、庇に瓦が使われており、一部が崩落したためだ。

外壁タイルが広範囲で剥落した舟木ビルでは、数日で足場が設置されて工事に入った。

しかし、マンションの改修は遅れている。大阪万博前後に建設された穂積地区やJR茨木駅周辺のマンションでは大きな被害が出ている。区分所有者間の合意形成が進まないためだ。

大規模な建物改修は小規模な工事業者では施工が難しく、人手不足が続いていることから、工事が長期化する可能性もある。

建築関係に特需

建築関係は特需で活況を呈している。しかし地域経済へ寄与するかは未知数だ。復旧に市内事業者だけでは足らず、市外の事業者も多い。

建築関係の好況が、市内の消費にプラスになる可能性は小さそうだ。

鉄道は翌日から復旧も、増える渋滞

交通の影響は、当日をピークに解消しつつある。地震発生直後は鉄道網がストップしたが、翌日にはほぼ正常化した。

しかし茨木市内では工事や復旧作業のトラックなどの乗り入れが増えた影響で、渋滞が増えている。市内のバス路線ではダイヤが乱れることも多く、時刻表通りの運行ができないと告知している。

小売業への影響はほぼ解消

店舗では従業員が出勤できないため地震当日は休業が目立ったが、数日ほどで多くの店舗が営業を再開した。ガスの供給が停止したことで一部飲食店の休業は長期化した。

食品スーパーでは、地震発生当日はカップ麺や弁当・パンなどが売り切れたが、翌日からは正常化した。一部では弁当や総菜の調理に影響が出たようだ。

また茨木市役所の南隣の「業務スーパー」では改修のため、7月まで再開できなかった。イオンモール茨木でも一部施設で休業が続いている。

しかし、商工業全般の影響はまだ全容がみえない。茨木市の商工労政課は、一部で被災状況のアンケートを配布している。在宅の個人事業主などはカバーしておらず、正確な経済損失額は把握できない。

農業にも被害が発生している。北部山間地域では地震と豪雨の影響で土砂災害が発生しており、田畑に影響が及んでいるようだ。

地震対応で12億の補正予算

茨木市の福岡洋一市長は大阪地震の応急対応で約12億円の補正予算をまとめた。地震の緊急対応のため、市議会の承認を省いて専決処分で計上する。

被災者への給付や公共投資が増えそうだ。茨木市は、既存の被災者支援メニューに加えて、独自の支援策を検討している。

さらに市役所の庁舎でもエキスパンションが破損したり、庁内の壁面に亀裂が発生したほか、小中学校のブロック塀の安全化などの出費がかさむ。

今年度当初予算で茨木市の歳出は860億を超える。さらに地震対応で追加支出は避けられず、木本市政の積極歳出で厳しさを増している茨木市の財政に黄色信号が点灯しそうだ。

阪急茨木市駅西口やJR茨木駅西口の再開発の予算も捻出できなくなる可能性もありそうだ。

早くも脱・被災地

財政が厳しい中で、市が一縷の望みをかけていたのが、義援金やふるさと納税、国や府からの支援だ。しかし地震発生から3週間ほどで、北摂は早くも「被災地」ではなくなってしまった。

7月に西日本豪雨が発生したことで、大阪北部地震は過去の災害になった。茨木市消防本部も12日に西日本豪雨の被災地へ消防隊を派遣している。

罹災証明書の発行などの業務でも、大阪府南部を中心に他自治体からの応援を受けているが、今後は西日本に振り向けられることになりそうだ。

世間の関心はすでに大阪北部地震から西日本豪雨に移っており、本格復興にむけたヒト・モノ・カネのリソースが不足する事態も想定される。

イベントも縮小や選別が進む?

辯天宗冥應寺は、茨木辯天花火大会を早々に中止することを決めた。境内の被害が大きいことが表向きの理由だが、市の支援が期待できないこともありそうだ。

今月末の茨木フェスティバルは開催される見通しだが、市内企業の寄付金に頼っており資金難も予想される。

11月末のいばらきバルフェスタも開催が危ぶまれたが、日程を発表して参加店舗の募集をはじめた。

昨年からすでに補助金を減らされており、少ない資金でも辛うじて運営できる体制を構築できたようだ。しかし被災した飲食店も多く、参加費用が重荷になる可能性もあり、参加店舗が減る可能性もある。

一方で年末の「いばらき光の回廊 〜冬のフェスティバル〜」は開催が難しそうだ。もともと寄付金が集らず資金難のうえ、イルミネーションの設置などに多額の経費がかかる。市役所も支援を打ち切るとみられている。今回の地震で灯は消えることになりそうだ。

比較的採算性がよいとみられる、麦音や茨木音楽祭などは継続できそうだ。

大阪北部地震で滞留者対策や老朽ビル復旧に課題


6月18日に発生した大阪府北部の地震から2週間近くが経過した。茨木市内でも6万戸超で供給が停止したガスも25日までにほぼ全面復旧し、日常モードに戻りつつある。

しかし茨木市では阪神・淡路大震災以来の大地震であったため、市内では1名が死亡しけが人も多数で出た。一部損壊も含めて市内で4000棟以上の建物に被害が報告されており、完全復旧までには時間がかかりそうだ。

また、今回の地震では以前から当会が指摘してきた、滞留者や老朽ビルの耐震性能不足の問題が顕在化した。

地震発生直後、JR茨木駅周辺では数千人規模の滞留者が出た。JRを含め鉄道各線が安全確認で運行を停止したためだ。駅間で停止した列車でも、その場で乗客を降ろして近隣の駅まで誘導する措置が取られた。

地震が通勤時間帯に発生したこともあり、茨木の地理に不案内な通勤・通学客も多く、駅周辺では夜まで滞留者が残った。

バスやタクシーは運行していたが、市内の各所は避難や地震対応の車で渋滞した。昼過ぎにはタクシーは3時間以上の待ちとなり、夜まで行列は続いた。

当日は晴天だったこともあり、駅周辺の建物や植え込みの日陰で座り込む滞留者も目立った。

余震も想定される中で建物や樹木のそばにいることは、落下物や倒壊の危険もある。今後は滞留者を府立春日丘高等学校など近隣の避難所へ誘導することも検討が必要だ。

また、市内の老朽ビルに被害が出ている。舟木町の舟木ビルでは外壁タイルが剥落したほか、JR茨木駅西口の茨木駅前ビルでは、外壁に大きな亀裂が発生している。

阪急茨木市駅西口の永代ビル(ソシオいばらき)では店舗部分の冷房が故障し、復旧に時間がかかっている。機器の排熱が大きいゲームセンターでは、業務用の大型扇風機を使って熱を逃がしている。

1階が駐車場になっているビルやマンションにも被害が多数報告されている。壁が少なく柱だけで建物を支える構造だからだ。

こうした老朽ビルやマンションでは、一般の住宅と異なり復旧を請け負える業者が限られるうえ、区分所有者の合意形成が難しく、復旧に時間がかかりそうだ。

これらのビルは1970年の大阪万博前後に開発が進んだものが多い。耐震基準は旧耐震で、耐震性も不足していることが多い。今後茨木市内では再開発やビルの建て替えの動きが進みそうだ。

JR茨木駅西口で再開発協議会が発足


7月下旬にJR茨木駅西口周辺地区の再整備のための再開発協議会が発足していたことが分かった。

茨木市と西駅前町4番地の茨木駅前ビル、駅前広場の南側の西駅前町1・2番地、関係者の間で「北東三角地」と呼ばれている西駅前町3・4番地の権利者、JR西日本が参加しているとみられる。

茨木駅前ビルでは2014年から管理組合が、耐震改修や自主建替えも視野に、再整備手法について勉強会や検討を重ねてきた。1月には管理組合が再開発推進決議を行い、2月には同ビル管理組合の代表者が茨木市の福岡洋一市長に、再開発の要望書を提出している。

しかし駅前ビル以外の再開発対象地区では、2016年ごろから市街地新生課から権利者に再開発への参加意向を打診する程度で、これまでに再開発について目立った動きはなかった。

そのため当面は再開発の協議ではなく、再開発の手法や進め方などについて茨木市市街地新生課からの説明を軸に進められているようだ。

福岡洋一茨木市長 施政方針説明で開発路線継続を表明


福岡洋一茨木市長は、茨木市議会3月定例会の初日となる3日、施政方針説明を行った。財政の見通しに厳しい見方を示しながらも、健全性を維持しつつ開発路線を継続することを明言した。

JR茨木駅・阪急茨木市駅の両駅西口再整備の推進や、市南部の広域幹線道路沿いの開発の継続について言及したほか、東芝スマートコミュニティ構想についても触れた。

JR茨木駅・阪急茨木市駅の駅前再整備については交通結節点の機能強化と市の玄関口にふさわしい空間をめざして関係者と協議を進め、具体化を推進する。またスカイパレットなどを活用した公共空間活用の社会実験を継続する。

市南部の広域幹線道路沿いの市街化調整区域については、目垣地区で都市区画整理準備組合と調整しながら都市計画を見直すという。目垣・南目垣・東野々宮地区ではセブン&アイ・ホールディングスと竹中土木のジョイントベンチャーがパートナーとなって商業施設や物流拠点の開発を検討している。

セブン&アイ・ホールディングスはショッピングセンター業態のアリオについて新規計画を中止したと報じられているが、それには含まれない可能性もある。

いっぽうで平田・玉島・野々宮地区については触れられておらず、日本エスコン、清水建設と平和堂のジョイントベンチャーが進める温浴施設や商業施設の開発は頓挫しているようだ。地権者との調整が難航しているという。

福岡洋一市長は、JR総持寺新駅に関連して東芝スマートコミュニティ構想について触れた。茨木市東部の太田東芝町や城の前町の東芝大阪工場跡地で進む同構想について、東芝の経営危機で実現が不安視されているが現状では変更がないことを明らかにしたことになる。

また、福岡市長は茨木市の最重要課題として、「市民の心のよりどころ」である市民会館の跡地活用と待機児童問題を挙げた。

市民会館の跡地活用については、引き続き市民の声を吸い上げながら活用方法を探るという。待機児童はゼロを目指し、認定こども園の新設も進める。

1月の茨木市議選で、木本市政で与党だった維新が勢力を減らし、福岡市長に好意的な自民・民主・公明などが勢力を維持したことで支持基盤が安定し、独自施策がみられつつある。

空き家対策や北摂7市3町で図書館の広域利用、海外進出・EC(電子商取引)支援などの企業支援、川端康成を顕彰する文学賞の新設、来年の市制施行70周年に向けて選定されたブランドのロゴやメッセージを活用した魅力発信などの新規施策にも触れた。

さらに木本保平前市長の不祥事を念頭に、茨木市長等政治倫理条例の制定、法務コンプライアンス課の新設、財産調査の徹底などによる市税の滞納整理の適正化の推進も明らかにし、弁護士出身市長の本領を発揮した。

【速報】福岡洋一茨木市長の施政方針説明始まる


茨木市議会3月定例会で、福岡洋一茨木市長の施政方針説明が始まった。

阪神大震災から22年、茨木市内で過去最大規模訓練


阪神・淡路大震災から22年となる1月17日、茨木市は過去最大規模の市全域防災訓練(シェイクアウト訓練)を実施する。実施発生(想定)と同時に、取るべき3つの行動(まず低く、頭を守り、動かない)を取るという。

このあと午前11時に「有馬-高槻断層帯」を震源とした直下型地震(市内最大震度7)が発生し、ライフラインが途絶、家屋倒壊など甚大な被害が発生したという想定で訓練を行う。

茨木市内では39の企業や団体3,378人、69の学校など32,848人、21の自治会や自主防災組織5,786人、69の行政機関や福祉団体など8,418人ほか個人も参加する予定だ。

午前11時に市内一斉に屋外スピーカーで、地震発生を想定した訓練開始の合図を行い、午前11時3分ごろには緊急速報メール(エリアメール)を発信する。

茨木市内、とくにJR茨木駅周辺では1970年の大阪万博時に整備されたビル、マンションが多く残る。旧耐震基準で設計されているうえに、建設から50年近く経過している。今後建替えなど更新が大きな社会問題となりそうだ。

JR茨木駅西口でも茨木駅前ビルをはじめ、岸本ビル(ステーションプラザ)や高橋ビル、茨木グランドハイツ、メゾン茨木西駅前などの建築物で老朽化が著しい。

JR茨木駅西口や阪急茨木市駅西口の駅前は再開発が進む見通しだが、他の地区では自主建替えやデベロッパーによる再開発が求められる。行政によるあっせんなども必要になるだろう。

【速報】茨木駅前ビル 年明けに再開発推進決議


茨木駅前ビル管理組合は1月中旬に臨時総会を開いて再開発推進決議案の審議を行うことがわかった。組合の再整備検討委員会が実施したアンケートですでに過半数が市街地再開発を支持しているといい、可決承認される見通しだ。

組合の諮問機関である再整備検討委員会は、築46年で老朽化が進む茨木駅前ビルの耐震改修、自主建替え、市街地再開発建替えの3案を軸に比較検討を進めてきた。

再開発着手には対象地区で権利者の3分の2以上の同意が必要で、再開発推進決議の法的拘束力はほとんどない。しかしビルとして行政や周辺地区と再開発について協議できるようなり、大きな転機となる。

2016年JR茨木駅西口街づくり10大ニュース


2016年も残り1週間。茨木駅西口街づくり研究会ではJR茨木駅西口の街づくりに関わる10大ニュースをまとめた。

1.茨木市長交代も開発路線継続

4月8日に茨木市長選挙の投開票が行われ、新人で弁護士の福岡洋一氏(当時40)が3万5千票を超える得票で当選。不祥事が発覚した現職の木本保平氏は組織戦を展開したものの約2万票にとどまり落選した。

木本氏のJR茨木駅西口をはじめとした開発推進路線が継続されるか不安視されていたが、福岡市長は施政方針でも開発路線の継続を明言した。

2.市街地再開発地区が西口駅前広場南側へ拡大

茨木市はJR茨木駅西口の再開発対象地区を、バスターミナルなどのある駅前広場の南側の西駅前町1・2番地の民有地やJR用地にも拡大する方針を打ち出した。

今回新たに拡大された地区と以前から対象地区とされてきた西駅前町3・4番地の「北東三角地」の権利者は、再開発にはおおむね「前向きな姿勢」(市街地新生課)という。

3.茨木駅前ビルが市街地再開発で意見集約へ

JR茨木駅西口駅前周辺整備で最大の面積と権利者を擁する茨木駅前ビルが、市街地再開発への参加で意見集約できる見通しになった。同ビルの管理組合は2年前から諮問機関として再整備検討員会を設置して老朽化が進むビルの再整備方針を検討してきた。

委員会では耐震改修を含む大規模修繕、自主建替え、都市再開発法による市街地再開発への参加という3案を軸に検討してきたが、費用負担など経済条件から市街地再開発への参加を再整備手法として答申した。管理組合は再開発推進決議案を臨時総会に上程するが、可決される見通しだ。

4.JR茨木駅の整備進む

JR茨木駅では2015年春にはじまったリニューアル工事が続く。年明けには駅構内のうどん店が閉店するなどコンコース北側にある施設の閉鎖・移転が完了。春までに基礎工事も終わったことから5月から人工地盤の設置に入った。人工地盤上には1100㎡の商業施設が設けられる計画だ。

10月にはコンコース北側に仮設の改札と階段が増設され、南側階段へのエスカレーター設置工事とトイレの改修が始まった。リニューアルは2018年に終わる予定だ。

5.木本前市長問題で百条委設置、木本氏を刑事告発

市長選挙直前の3月議会で現職市長・木本保平氏の親族による長年の市税滞納や、それに対する滞納処理に市長が介入した疑惑が明らかになった。また滞納の舞台となった不動産を担保に木本氏自身が多額の借入をしていたことも分かった。

この市長選挙では木本氏への対応をめぐって市議会最大会派でもある維新の会が分裂。足立康史衆院議員や松本利明府議が事実上福岡支持に回ったことで木本氏の落選の原因となった。

木本氏の徴税事務への介入疑惑を解明するために7月に設置された百条委員会では、木本氏が証言拒否。茨木市議会は地方自治法に基づき証言拒否で木本氏を刑事告発することを可決承認した。

維新会派は刑事告発議案に反対し、足立議員は、個人情報である徴税情報が漏洩した経緯について自民党と共産党が手を組んで維新つぶしにかかっていると反撃している。

年明けに実施される茨木市議会議員選挙では茨木市民の判断が示される。木本市政の開発路線を支えてきた維新会派が草刈り場になる可能性もある。開発に批判的な勢力が勢力を拡大すれば、JR茨木駅西口の再開発にも影響がありそうだ。

6.JR西日本が茨木駅西口に駅ビル建設の意向明らかに

JR西日本がJR茨木駅西口のJR用地に駅ビルを建設する意向があることが明らかになった。茨木駅西口の現在はバイク駐輪場やレンタカー駐車場などとして利用されているエリアに人工地盤を構築し、地上を駅前広場、2階から上を駅ビルとして利用する案がある。

茨木駅前ビルの再整備検討員会が全区分所有者を対象に行った説明会資料で公表された。茨木市はJR西日本創造本部にヒアリングして駅ビル開発の意思を確認しているという。

7.茨木駅前ビルで大型テナント入れ替わる

茨木駅前ビルで広い区画の空きテナントが相次いで埋まった。3月に地下のアサヒビールのビアホール跡にはジャズなどのライブをおこなうダイニングバー「茨木グリル」が、7月には地上のりそな銀行跡地にはカラオケボックス「カラオケセブン」がオープンした。

カラオケボックスはJR茨木駅東口のジャンカラとの激しい競争もあり集客に苦戦。10月から休業してリニューアル工事を行い、12月に「カラオケオルセー」として再オープンした。

8.JR茨木駅西口BTのバリアフリー化進む

エキスポシティ・吹田スタジアム開業にあわせて2015年11月に茨木駅西口バスターミナルのバリアフリー化が実施された。2016年は手直しが行われ、12月に茨木弁天行きバス乗り場が三菱東京UFJ銀行茨木西支店前に新設された乗り場へ移転した。

これで階段を使う乗り場はエキスポシティ行きが発車する4番乗り場のみとなった。

9.エキスポシティ・吹田スタジアムの効果、予想下回る

バスの増便やバリアフリー化が実施されたが、JR茨木駅をエキスポシティ・吹田スタジアムの玄関口として利用する乗降客は伸び悩んでいるようだ。

吹田スタジアムでのガンバ戦の開催日には利用者増えるものの、バスが不便だとして徒歩で千里丘駅を利用する客も多いようで、JR茨木駅の混雑が以前ほどではなくなっている。

利用客数の伸び悩みもあって、茨木市や茨木商工会議所の要望にもかかわらずJR茨木駅への新快速停車は2017年ダイヤ改正でも見送られた。

10.JR茨木駅西口で飲食店の新陳代謝進む

JR茨木駅西口エリアでは、飲食店の新陳代謝が進んだ。

茨木駅前ビルでは、1月に天ぷら店が、3月にショットバーが閉店した。いっぽう2月にカレー専門店「タシモリカレー」、3月にライブバー「茨木グリル」、6月にバー跡地で居酒屋、9月にお色気系小料理屋、11月に天ぷら店跡地でカラオケスナックがオープンした。

また5月には東口の喫茶店「ぶいえいと」が、バル業態の新店を西駅前町8に開店した。8月には大阪・中崎町で繁盛していたタイ料理店「レモングラスハウス」が西駅前町3に移転してきた。

また春日丘高校の西側の府道茨木枚方線に面した春日2丁目2では唐揚げ専門店が4月に閉店したものの、たこ焼き店が開店している。7月には春日1丁目4の長沢ビルのとんかつ店「とんかつ井出」が閉店した。

茨木駅前ビルで再開発建替え派が過半数


茨木駅前ビル再整備検討委員会が実施したアンケートで、同ビルの区分所有者の過半数が再開発建替えを支持していることが分かった。同委員会は茨木駅前ビル管理組合の諮問機関で、組合員の有志が2年間にわたってビル再整備手法について検討し、全区分所有者に周知してきた。

アンケートの未提出者は11月下旬の集計時点で約4割。再開発建替え支持派はまだ増えそうだ。JR茨木駅西口駅前周辺再整備ではその動向が計画に大きく影響する茨木駅前ビルが市街地再開発でまとまるメドがついたことで、JR茨木駅西口の再開発は大きく前進しそうだ。

ただ実際に茨木駅前ビルの区分所有者が機関決定するのは、12月末に行われるとみられる管理組合の臨時総会だ。総会で「市街地再開発推進決議」を可決する必要があるが、出席者や議決権行使書が集まらなかったりすれば否決される恐れもある。

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茨木駅前ビルでは都市開発コンサルタントのアール・アイ・エーの助言をうけながら、耐震改修を含む大規模改修、自主建替え、市街地再開発による建替えの3案を軸に検討してきた。

耐震改修は全区分所有者が費用を拠出する必要があるうえに、コンクリートの寿命などを考慮すると、約15年しかビルの「寿命」を延命できないないことで全体の5%ていどしか支持されなかった。

また自主建替えは負担費用を捻出できない区分所有者が建替組合に売却できるものの、経済条件が市街地再開発による建替えよりも悪いことから、ごくわずかの支持にとどまった。

すでに再整備検討員会は管理組合に市街地再開発推進決議案を上程したとみられ、12月末にも開かれる管理組合臨時総会で議決される見通しだ。

自主建替えであれば、推進決議には組合員数(全区分所有者)と議決権数の3分の2か4分の3が必要とされる。建替え決議であれば区分所有法で5分の4が賛成する必要があるとされているが、推進決議には同法の規定がない。しかし決議で5分の4をクリアするためには、推進決議の時点で4分の3の支持を集めないと現実的に決議の可決は困難になるからだ。

いっぽう市街地再開発推進決議は、通常決議と同様に2分の1(過半数)でよいとされている。さらに再開発の実施にむけては機関決定が必要でなく、再開発地区の権利者の3分の2の同意でよいとされる。そのため推進決議後のハードルはかなり下がりそうだ。

ただし、重要な議案であることから総会では投票の実数が把握できる手法での議決を行うことになりそうだ。さらに欠席者には委任状ではなく議決権行使書でできるだけ意思表示を求めるものとみられる。

茨木市の市街地新生課は茨木駅前ビルの市街地再開発推進決議の可決を前提に、企画財政部と予算折衝に入っている。今後は都市開発コンサルタントの助言を受けながら市街地再開発協議会の立ち上げなどを支援していくほか、JR西日本とも駅ビル建設も含めてJR用地の利用方法を調整することになる。

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ようやく動き出したJR茨木駅西口駅前再整備だが不安要素もある。来年1月22日投開票の茨木市議会議員選挙だ。木本保平前市長をめぐる疑惑などで市議会最大会派・大阪維新の会派には大きな逆風が吹きそうだ。

上田光夫市議はじめ追及姿勢を強める自民党と、朝田充市議などが疑惑解明をリードした共産党に有利な状況だが、共産党など再開発に批判的な勢力が伸長する恐れがある。

福岡洋一市長も開発路線を継続しているとみられるが、木本氏や維新会派が再開発に積極であったこともあり、市議会のパワーバランスが崩壊すればJR茨木駅西口再開発などの市内の開発案件に急ブレーキがかかる可能性もある。