来月3日告示、10日投開票の茨木市長選挙は、現職の木本保平市長(70)に共産系の末武和美(69)、自民系の福岡洋一(40)の各候補が挑む戦いになりそうだ。無所属の市議などに出馬の動きはなく、この3候補を軸に選挙戦が展開されそうだ。
木本市長はおいが長年にわたって多額の固定資産税滞納をしていたことや、自身もその物件を担保に5000万円を借入れしながら、市条例にもとづく資産公開をしていなかったことが明らかになっている。
そのため支持母体のおおさか維新の会茨木支部は自主投票とし、支援を取りやめた。福岡氏を推す動きも報じられたが、木本氏支持の市議の抵抗もあって調整できなかったようだ。
22日の茨木市議会の3月議会本会議では、市長の不祥事をうけて「『茨木市長等の政治倫理条例』制定に向け研究検討を求めることについて(請願第2号)」が採択された。採決時に木本氏に近い一部市議は退席したようだ。また、一連の不祥事で固定資産税の督促業務についても不明朗な点があるとして提出された「監査の請求(議員発第2号)」も原案可決した。
茨木市長選はすでに水面下で準備が進む。木本陣営は駅前4丁目の中央通りに面した結納事務用品店に選挙事務所を構えた。大阪府内の首長などからの「為書き」が貼られ、人の出入りもあわただしい。末武陣営も本人や共産党所属の市議が駅前などで辻立ちをこなす。共産党系の団体も宣伝カーで市長の不祥事を追求する声を上げるなど支援している。
いっぽうで福岡陣営は出遅れ感がある。福岡氏自身のブログやツイッターを閉鎖する「身辺整理」が済み、23日に立候補表明会見を行った。
特定の政党の支援はうけずに無所属で立候補するとして、会見には占部走馬府議(自民党)、松本利明府議(おおさか維新の会)、森みどり前府議(民主党)が立ち会った。しかし他には具体的な動きは見られず、知名度が上がらなければ現職に有利に働きそうだ。
左派系の無所属や諸派は候補を立てないとみられることから、保守・中道系の票が割れれば左派票を取り込んだ末武候補が票を伸ばす可能性もある。末武候補は開発に否定的で、市長選の結果によってはJR茨木駅西口や市南部などの開発にブレーキがかかる可能性もある。