福岡洋一茨木市長、施政方針で開発路線継続を表明


茨木市の福岡洋一市長は、9日の茨木市議会で施政方針説明を行った。都市計画や北部振興など開発関連に、44分間の説明のうち約10分を割いた。

すでに事業が進んでいるJR総持寺駅や安威川ダムだけではなく、JR茨木駅・阪急茨木市駅の西口再整備など中心市街地の活性化、彩都、玉島・野々宮などの南部地区開発などの開発案件についても概ね継続する姿勢を表明した。

その一方で、昨年閉館した市民会館に代わる芸術文化施設については、市民の関心が高く、市民の「こころの中心地」という性格があるとした。その上で対話や議論で思いを傾聴し、福祉文化会館との一体運用や新たな施設の必要性について丁寧に検討したいとして、慎重な姿勢を見せた。

また、廃棄物処理や上下水道などのインフラについても言及し、摂津市とのごみ処理広域化や下水道料金の見直しについても意欲をしめした。
(その他の政策についても追って詳報します)

03:33(施政方針説明の経過時間、単位:分・秒)
●【市長選挙政策骨子】「人と自然が共生する持続可能なまちに」
総合計画・都市計画マスタープラン
多核ネットワーク型都市構造によるまちづくり
都市機能の適正配置、立地適正化計画

●【市長選挙個別政策】「昼も夜もにぎわい、憩える中心市街地と駅前の再整備」
中心市街地活性化基本計画の策定

04:53
●駅前開発
JR茨木駅・阪急茨木市駅の西口周辺再整備
・交通結節点機能強化
・市の玄関口として多くの市民が集える空間
・関係者と協議を進め計画の早期具体化を促進
JR茨木駅東口広場の愛称公募
JR茨木構内にエスカレーターを設置

05:30
●【市長選挙個別政策】「市民に愛され、使われる新しい芸術文化施設の建設」
市民の関心が高い
市民の「こころの中心地」という性格
対話や議論で思いを傾聴
中心市街地という立地優位性
福祉文化会館との一体的な活用
新たな芸術文化施設の必要性も丁寧に検討

06:17
●【市長選挙個別政策】「渋滞ゼロをめざしたまちづくり」
茨木松ヶ本線など計画的な道路整備
広域的な幹線道路整備も大きく関係するため国や府とも協議
渋滞緩和につながる公共交通の維持・利用促進、移動の実態調査を実施

06:54
●【市長選挙で言及せず】住宅
茨木市に「住み、働き、学び、憩う」中で「住まい」は生活の基盤であり重要施策
住宅施策を充実
既存ストックの適正な維持管理、居住の安定確保
住まいに関する情報を積極発信
H27実施の実態調査結果を踏まえ、有効活用や適正利用を促す空き家等対策計画を策定

07:50
●【市長選挙で言及せず】JR総持寺駅
平成30年春開業にむけて周辺整備進める
民間事業者とともに住みよい機能配置

08:05
●【市長選挙で言及せず】彩都
中部地区で市有地への企業等誘致をすすめる
東部地区では周辺環境に配慮しながら先行エリアでの事業推進
その他地区業務代行方式での組合土地整理事業の事業化に向け地権者の主体的な活動を府と連携して支援

08:37
●【市長選挙で言及せず】安威川ダム
平成32年完成にむけて水と緑とまちに近い立地をいかした市民の憩いの場を
周辺整備は民間活力の導入視野に入れスキームを府と連携して策定

09:01
●【市長選挙で言及せず】新名神
インターチェンジ周辺の魅力創造

09:12
●【市長選挙で言及せず】北部地域
彩都・ダム・新名神など既存の魅力と新たな資源をつなぎさらなる魅力を創造

09:30
●【市長選挙で言及せず】広域幹線道路沿道の市街化調整区域
都市的土地利用への転換
南部地域の活力増進
地権者、事業化検討パートナー、関係機関と協議調整進めて必要な手続き

09:50
●【市長選挙で言及せず】東芝工場跡地スマートコミュニティ構想
東芝、追手門学院、進出事業者と協議・調整
必要な都市計画手続きを進める
多様なコミュニティづくり

10:10
●【市長選挙で言及せず】交通
<道路整備>
茨木松ヶ本線、山麓線等の都市計画道路
市道庄中央線、総持寺駅前線整備を進める
府施工の上郡佐保線、大岩線で事業促進
<バリアフリー>
移動の円滑化、安全な歩行空間の確保
バリアフリー基本構想に基づき歩道・公共施設のバリアフリー化
<自転車>
自転車利用環境整備 自転車レーン整備
<北部地域>
山間部の移動手段確保を住民と協議

11:00
●【市長選挙で言及せず】水道
<上水道>
安心な水道水を将来にわたって供給し続ける
水道事業ビジョン改定、経営戦略策定
水道施設の計画的効率的更新
<下水道>
次世代に健全な施設を引き継ぐため下水道経営を安定化
下水道使用料の改定検討
管路等の計画的超寿命化
早期生活排水処理100%めざし公共下水道、公設浄化槽整備事業

11:49
●【市長選挙で言及せず】環境
環境配慮行動に取り組む意欲向上
エコポイント制度開始
地球温暖化対策国民運動「COOL CHOICE(賢い選択)」推進
環境フェア、省エネコンテストなど
環境教育で環境問題への市民意識高揚はかる

12:20
●【市長選挙で言及せず】廃棄物行政
一般廃棄物処理基本計画 一層の減量化再資源化
摂津市との廃棄物処理広域化協議を引き続き進める

12:38(~12:59)
●【市長選挙で言及せず】都市と緑の共存
生垣を含む民有地緑化助成対象拡大
緑化相談で市民の緑化意識向上

JR茨木駅西口など開発の行方を占う6月市議会、9日開会


9日に茨木市議会は平成28年第4回茨木市議会定例会(6月市議会)を開会する。会期は6月30日(木)までの22日間。9日には施政方針説明が行われるなど、福岡洋一市長にとっては初の市議会となる。

施政方針説明では、JR茨木駅西口や市南部の幹線道路沿道開発など木本保平前市長が積極的にすすめてきた開発案件についても言及されるものとみられ、開発路線が継続されるかが注目される。5月には企画財政部を所管する副市長が交代しており、財政面から見直しが行われる可能性もある。

また、木本前市長の親族による市税滞納が放置された問題や、木本前市長の親族が関係するごみ収集業務の民間委託の特定企業による寡占問題などにからむ事務について検討する庁内組織が立ち上げられることがわかっている。庁内組織についても説明や審議が行われると見られる。

6月市議会の日程は次の通り。
6月9日 本会議(開会、会議録署名議員の指名、会期の決定、諸般の報告、市選挙管理委員会委員及び補充員選挙、施政方針説明)
6月13日 本会議(代表質問)
6月14日 本会議(代表質問)
6月15日 本会議(議案審議)
6月16日 本会議(議案審議)
6月20日 常任委員会(付託議案審査(民生・建設))
6月21日 常任委員会(付託議案審査(民生・建設))
6月22日 常任委員会(付託議案審査(文教・総務))
6月23日 常任委員会(付託議案審査(文教・総務))
6月28日 幹事長会、議会運営委員会
6月30日 木本会議(委員長報告、質疑、討論、採決、閉会)

「おおさか維新」会派、弁護士の新人候補を擁立との報道


来月の茨木市長選挙で、おおさか維新の会所属の茨木市議団が弁護士の新人候補を擁立すると産経新聞が伝えている。新人候補は大阪弁護士会登録で柴山法律事務所(大阪市)所属の福岡洋一氏(40)。

同紙によると福岡氏は無所属で立候補し、おおさか維新の会の党本部は支援しないという。そのため「大阪維新の会茨木支部」は他の党の茨木支部と連携して支援するという。

おおさか維新の会の足立康史衆院議員は、18日午後にツイッターで産経新聞のこの記事を共有(投稿)しており、事実関係を認めた格好だ。18日夜には足立議員も出席して維新支部役員会が開かれており、党本部も含めた福岡氏支援を決めた可能性がある。

また無所属の山下慶喜市議は「木本市長の疑惑発覚後、足立衆議院議員が昨日まで同志だった木本市長への攻撃をはじめ、新聞でも他候補をさがす動きが報道されています。ただ維新系市議も木本派と反木本派に分かれているようで、市長選後7名の最大会派がどうなるのか話題になりそうです」とブログに投稿している。

これが事実であれば「大阪維新の会茨木支部」の分裂を回避するために党本部は中立の立場から、福岡氏を支援しないと見られる。

山下市議は「自民党が候補者を決定したとのことで急展開です」とも投稿しており、これが福岡氏である可能性がある。独自候補を擁立する可能性も残されている。

茨木市長選挙は来月3日告示、10日投開票。現職の木本保平市長は2月下旬には早々に出馬を表明し、再選が確実視されていた。

今月に入って木本市長に、おいの多額にのぼる固定資産税滞納と、市長自身がその不動産を担保に借入れをしたにもかかわらず、資産一覧に記載していなかったことによる市条例違反の不祥事が発覚した。

そのため、これまで支援してきた足立議員が激しく批判するなど、支持母体の「大阪維新の会茨木支部」が支援を取りやめて、新たな支援候補探しに入っていた。木本市長に続いて3月上旬には共産党系の末武和美氏が立候補を発表しており、福岡氏が3人目の候補となりそうだ。

過去の発言などから福岡氏は開発に積極的とみられるが、保守系の票が割れた場合、開発に批判的な末武氏の当選可能性もある。市長選の結果次第ではJR茨木駅西口再整備や市南部の平田・玉島・野々宮、目垣・東野々宮などの地区の整備、彩都開発に見直されるとの見方もある。

茨木市長選、地元議員らが弁護士擁立へ 借入金問題で現職市長を「支援ノー!」-産経WEST
【大阪弁護士会】会員検索サービス(福岡 洋一)
足立衆院議員のtwitter

おおさか維新の会、茨木市長選候補を週明けに発表か


来月投開票される茨木市長選挙は再選をめざす木本保平市長(71)に不祥事が明らかになったことで、前回木本市長を擁立したおおさか維新の会は新たに別の候補を擁立すると見られている。

比例代表近畿ブロック選出で、茨木市を地盤にするおおさか維新の会の足立康史衆院議員は短文投稿サイト「ツイッター」と交流サイト「フェイスブック」への投稿でこの週末で新たな擁立する茨木市長選候補を決定することをほのめかした。

足立康史衆院議員は11日の夜、ツイッターに「今日は日帰りで栃木県は那須に。いま帰阪中で、夜は党本部。市長選を迎える地元茨木市にとって、この2、3日が大事。心して臨みます」と投稿した。

週末から週明けにかけておおさか維新の会党本部とも調整して茨木市長選候補を選定することを示唆している。月曜に党本部とも最終調整し、新たな候補を発表すると見られる。

通常国会が開会中で足立議員が帰阪できるのが週末に限られるが、すでに市長選まで1か月を切っており、早期の候補を選出を迫られている。この週末を逃すと3連休となり、擁立候補者発表から告示まで2週間を切ることになる。おおさか維新の会茨木支部もこの週末を期限と意識していると見られる。

無所属の山下慶喜茨木市議も11日に更新した自らのブログで「庁内を回っていると「市長選どうなりますか?」と尋ねられます。知っていることは問題のない範囲で答えているのですが、週末、そして来週には選挙の構図がはっきりすることは間違いありません」と投稿している。

前回の2012年市長選で大阪維新支持に回った自由民主・絆や公明、前回出馬していたの桂睦子(茨木市民フォーラム)、山下慶喜(無所属)の2人の革新系市議の動向も注目される。当初は木本市長の再選が確実視されていたため、各派とも独自候補の擁立を検討しなかったとみられ、対応が間に合わない可能性がある。

その場合、無所属となる木本市長、共産党系の末武和美候補、おおさか維新の会擁立候補の3つどもえとなりそうだ。各派の支援状況によっては流動的だが、これまでの大阪9区の得票率からみておおさか維新の会擁立候補が有利な戦いとなりそうだ。

しかしおおさか維新の会もこれまで木本市長を支援してきただけに、イメージダウンや批判もあると見られ先行きは不透明だ。

末武候補は開発に批判的で、おおさか維新の会の擁立候補が開発に積極的とは限らない。また他会派が候補を擁立できても、革新系会派は総じて開発に批判的だ。比較的開発に積極的な自由民主・絆も双葉町の新市民会館計画の進め方には慎重とみられる。

2016年市長選結果によってはすでに進んでいる開発案件にも影響が出そうだ。

2016年市長選結果で影響がありそうな茨木市の開発案件

JR茨木駅西口周辺整備(西駅前町)
市民会館移転建替え(双葉町)
平田・玉島・野々宮地区のまちづくり(平田・玉島・野々宮)
目垣・東野々宮地区再開発のまちづくり(目垣・南目垣・東野々宮町)
彩都中部・東部地区(佐保、大岩、清水など)

2016年市長選結果でも影響がなさそうな茨木市の開発案件

阪急茨木市駅西地区市街地再開発事業(永代町)
JR総持寺新駅・阪急総持寺
彩都西部(彩都あさぎ、彩都やまぶき)