JR茨木駅西口など開発の行方を占う6月市議会、9日開会


9日に茨木市議会は平成28年第4回茨木市議会定例会(6月市議会)を開会する。会期は6月30日(木)までの22日間。9日には施政方針説明が行われるなど、福岡洋一市長にとっては初の市議会となる。

施政方針説明では、JR茨木駅西口や市南部の幹線道路沿道開発など木本保平前市長が積極的にすすめてきた開発案件についても言及されるものとみられ、開発路線が継続されるかが注目される。5月には企画財政部を所管する副市長が交代しており、財政面から見直しが行われる可能性もある。

また、木本前市長の親族による市税滞納が放置された問題や、木本前市長の親族が関係するごみ収集業務の民間委託の特定企業による寡占問題などにからむ事務について検討する庁内組織が立ち上げられることがわかっている。庁内組織についても説明や審議が行われると見られる。

6月市議会の日程は次の通り。
6月9日 本会議(開会、会議録署名議員の指名、会期の決定、諸般の報告、市選挙管理委員会委員及び補充員選挙、施政方針説明)
6月13日 本会議(代表質問)
6月14日 本会議(代表質問)
6月15日 本会議(議案審議)
6月16日 本会議(議案審議)
6月20日 常任委員会(付託議案審査(民生・建設))
6月21日 常任委員会(付託議案審査(民生・建設))
6月22日 常任委員会(付託議案審査(文教・総務))
6月23日 常任委員会(付託議案審査(文教・総務))
6月28日 幹事長会、議会運営委員会
6月30日 木本会議(委員長報告、質疑、討論、採決、閉会)

茨木市の事務適正化のための庁内組織概要


茨木市が6月市議会の説明会で市議会議員に配布した茨木市の事務適正化のための庁内組織についての概要は以下の通り。

1茨木市収税事務改善検討委員会
(1)目 的
特定の個人による長期かつ高額な市税の滞納事案が生じたことを踏まえ、市税滞納者に対する収税事務の現状を把握し、市税の滞納処分、執行停止、不納欠損等(以下これらを「滞納処分等」という。)に関し、市民から信頼を得ることができる公平・公正な事務執行の確立に向けた事務改善について検討を行う。

(2)構成
河井副市長(議長)、総務部長、企画財政部長、政策法務課長、政策法務課参事
*収納課長その他職員は必要に応じて説明員として参加させる。  
*検討案等に対し、弁護士に専門的見地から意見を聴取する。

(3)内 容
①適正な滞納処分等の事務執行の確保に必要な方策等の検討
②適正な滞納処分等の事務執行に向けた取組の改善
③不適切な滞納事務等の事務執行の調査及び再発防止策の検討
④その他適正な滞納処分等の事務執行に必要な事項

(4)スケジュール(案)
平成28年8月中:中間報告
平成28年11月中:最終報告

2契約事務のあり方に関する庁内検討会
(1)目的
市民から納得される契約事務(主に業者選考事務)のあり方を検討し整理するとともに、長年受託業者が固定化しているごみ収集業務については、個別に課題等を検証のうえ整理を行う。

(2)構成
検討会:河井副市長(座長)、大塚副市長、小西水道事業管理者、総務部長、企画財政部長、教育総務部長、消防長
作業部会:政策法務課長、契約検査課長、教育総務課長、消防総務課長、水道部総務課長
*検討内容により、随時関係課長等の参加を求める。

(3)内容
①現行の契約(業者選考)事務全般の状況及び課題の把握
②一般的な契約(業者選考)事務の適切なあり方の検討及び整理
③ごみ収集業務委託契約事務の検証及び整理

(4)スケジュール(案)
平成28年8月中:中間報告
平成28年11月中:最終報告

木本市政の疑惑解明へ-親族の市税滞納・ごみ収集業務受託


親族の固定資産税滞納やごみ収集業務受託の寡占など、木本保平前市長に向けられた一連の疑惑解明にむけて茨木市役所の庁内組織が創設されることがわかった。無所属の山下慶喜(山下けいき)市議がブログで明らかにした。公平公正やクリーンを訴えてきた福岡市政が本格始動することになる。

山下市議によると、5月30日に茨木市議会は9日に開会する6月市議会の説明会を開催した。その中で企画財政部長が「前木本市政で明らかになった収税事務、契約事務の問題について、適正化するための庁内組織を作る」と報告したという。

収税事務と契約事務それぞれに対応する組織を発足させる。収税業務は「茨木市収税事務改善検討委員会」、契約事務は「契約事務のあり方に関する庁内検討会」が担当する。

収税事務の「委員会」は目的を「特定の個人による長期かつ高額な市税の滞納事案が生じたことを踏まえ、市税滞納者に対する収税事務の現状を把握し、市税の滞納処分、執行停止、不納欠損等(以下これらを「滞納処分等」という。)に関し、市民から信頼を得ることができる公平・公正な事務執行の確立に向けた事務改善について検討を行う」としている。2016年茨木市長選挙直前に告発文書で明らかになった、木本保平前市長の親族が長年にわたって固定資産税を滞納し、それが長期にわたって放置された問題を扱う。

契約事務の「検討会」は目的を「市民から納得される契約事務(主に業者選考事務)のあり方を検討し整理するとともに、長年受託業者が固定化しているごみ収集業務については、個別に課題等を検証のうえ整理を行う」としている。茨木市のごみ収集業務の民間委託が、入札の参入基準が厳しく、木本前市長の関係する木本興産など特定の業者によって長期間寡占状態にあったことが検討される。

いずれも8月までに中間報告、11月中に最終報告を行うという。先月11日に選任された河井豊副市長が組織の長となる。公平委員会、監査委員を担当する副市長であるため長を務めるのは不自然ではない。だが、副市長人事はこのための布石だったともみられる。

「対話重視で公平公正な市政運営」「政策決定プロセスの見える化」「クリーンな政治」を訴えてきた福岡市長の独自色が発揮されそうだ。

茨木市副市長人事で開発案件の予算確保に課題


5月11日に河井豊氏が副市長に選任された。企画財政など財政も担当する。楚和敏幸前副市長は任期満了での退任とされるが、開発に積極的な木本市政で財政規律を守りつつ開発の予算を捻出する役目も負ってきた。福岡洋一市長が木本保平前市長派を更迭したとの見方もある。

5月10日に茨木市議会は臨時会で副市長選任案と教育長任命案に同意した。副市長は固定資産評価員を兼任する。人事案が同意されたことで前副市長の楚和敏幸氏が退任し、5月11日付けで副市長は河井豊氏、教育長は岡田祐一氏が就任した。河井氏は前教育長だった。

茨木市の副市長は2名。茨木市副市長事務分担規則で部単位で職掌が定められている。1名が総務、企画財政、市民文化、健康福祉及びこども育成の各部、消防本部、会計室、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員及び固定資産評価審査委員会を担当。もう1名が産業環境、都市整備、建設、水道の各部、農業委員会を担当している。

今回交代した副市長は総務・企画財政各部などの担当。退任した楚和氏は4年の任期で副市長を務めてきた。2012年5月10日に茨木市議会臨時会で同意されて、就任直後の木本保平前市長が選任した。楚和氏は財政課長や企画財政部次長を経て、2009年からは企画財政部長だった。

今回就任した河井氏は今年1月31日に企画財政部長で退職し、2月1日教育長に就任していた。それからわずか2か月余りでの副市長起用となった。福岡洋一市長が木本色の一掃を図ったとの見方もある。

楚和氏は、企画財政担当の副市長として開発に積極的な木本市政で財政規律を守りつつ開発の予算を捻出してきた。木本氏は「私(木本氏)はアクセル(中略)楚和副市長や河井企画財政部長はブレーキ」「財政については全幅の信頼を置いている楚和副市長に一任をしてると言っても過言ではないほど信頼」などと答弁したほどだ。

都市整備、建設の各部も担当する副市長は昨年選任された大塚康央氏。茨木市役所で都市整備部長などを経て、昨年4月に就任した。木本氏も「私と大塚副市長はアクセル部分で、楚和副市長がブレーキ部分」と答弁するなど、木本市政の積極開発を支えてきた。

楚和氏は、木本氏とは関西大学の同窓生で関係が深かったとされる。大塚氏は同志社大出身だが、木本氏とは茨木高校で同窓。木本市政で両副市長はそれぞれの立場から木本氏の開発路線を支えてきたといえる。

福岡市長が財政を担当する副市長を交代させたことで、予算配分の方針が変わり、開発案件の裏づけとなる予算が確保できなくなる可能性が出てくると危惧する声もある。

JR茨木駅周辺の飲食需要が低迷


JR茨木駅周辺の飲食店の客数が低迷している。JR茨木駅周辺の大規模事業所が社員食堂を開設したり、宴会を自粛しているためだ。

4月1日に北おおさか信用金庫(西駅前町・若槻勲理事長)は本店ビルに社員食堂を開設した。また、4月22日に発生した新名神高速道路工事現場事故をうけて西日本高速道路関西支社(岩倉町・村尾光弘支社長)や西日本高速道路エンジニアリング関西(西駅前町・横田信録社長)は宴会などを自粛している。

この影響でJR茨木駅周辺の飲食店では需要が激減した。ランチの需要減少は大きく、客数が半減した店もあるという。ゴールデンウィーク前に予定されていた宴会はキャンセルも発生したという。

西日本高速道路関連の需要は数か月程度で回復すると見られるが、北おおさか信金の需要は回復が望めないという。ある飲食店関係者は「地域金融機関なのに地元への配慮が足りないのではないか」と語っていた。

JR茨木駅 駅舎拡張工事進む


JR茨木駅の駅舎拡張工事が進み、4月から鉄骨組立て工程に入っている。ゴールデンウィーク明けからは夜間の工事で組み立てる。
JR茨木駅改良工事
昨春から始まったJR茨木駅改良工事は、まず自由通路南側の店舗を撤去し、秋には駅事務室やみどりの窓口、自動券売機を自由通路北側から南側の改札脇に移した。並行して東口の北側階段や拡張部分と干渉する架線柱とホーム屋根を撤去し、ホームの下に駅舎拡張部分の基礎を設置していた。
JR茨木駅改良工事人工地盤柱
今年初めにかけて自由通路北側の飲食店、ゆうちょ銀行ATMやコインロッカーを撤去したり移設していた。自由通路北側の駅舎内の施設を撤去し、東口階段の跡地に人工地盤の基礎が完成したことで、線路とホーム上部に鉄骨を組む工程に入った。

鉄骨組みの作業は落下物の危険があることから、運行本数の少ない夜間作業を行う。工事の進捗によっていったん復旧されたホームにふたたび仮囲いと、人工地盤を支える柱が設置されるもようだ。自由通路の既存駅舎と拡張された駅舎(合計約1,100㎡)には店舗が設けられる。
JR茨木駅改良工事クレーン
自由通路南側の改札内にはエスカレーターを新設し、トイレを改修して平成30年に工事は完成する予定だ。

市議選補選は岩本氏が当選


茨木市選挙管理委員会は市議選補選に岩本まもる氏(51)が当選したと発表した。岩本氏は無所属の元職。介護士。3期の市議経験があり、前回の市議選で落選していた。得票総数69166(開票率100%)あさとう雅志15459、しきち龍一23489、岩本まもる30218

茨木市長に福岡氏当選


茨木市長に新人で弁護士の福岡洋一氏(40)が当選した。茨木市選挙管理委員会が発表した。得票総数71933(開票率100%)ふくおか洋一36865、末武和美14842、木本やすひら20226

盛り上がり欠く選挙戦に市民は無関心


再出馬を表明した現職の木本保平氏(71)の再選が確実視されていた茨木市長選挙は、差出人不明の告発文書によって一気に情勢が変わった。

木本氏のおいが所有する不動産の固定資産税を滞納しているというもので、3月4日の市議会で朝田充市議(共産党)の追及に木本氏は事実を認めた。毎日放送などがローカルニュースでこれを報じた。

さらにこの不動産を担保に木本氏自身が借入れをおこなっていたこと、それを市条例に基づく資産報告から除外していたことなどが明らかになった。

かねてからごみ収集業務民間委託の入札をめぐって、参入条件を厳しくすることで木本氏の親族が経営する会社などが長年にわたって事実上独占してきたことも問題視されてきたこともあり、一気に木本氏離れの動きが広がった。

特に木本氏の支持母体で、自身も顧問を務めるおおさか維新の会茨木支部は実質的に分裂状態となった。同党所属の足立康史衆院議員は木本氏に説明を求めるなど、反木本の動きを鮮明にした。

週明けにはおおさか維新の会茨木支部として木本氏支持を取りやめ、代わりの候補探しに動き始めた。しかし木本氏を支持する市議も多く、代わりの独自候補を擁立することができずに、自主投票を決定した。

木本氏の不祥事をうけて自民党などは対抗馬探しの動きを加速。茨木青年会議所でも活動していた茨木市出身の福岡洋一弁護士(40)を擁立することになった。無所属を標榜していたが自民党の占部走馬府議は自らの事務所を選挙事務所に提供するなど、茨木青年会議所メンバーとも連携して全面的にバックアップした。

この動きにおおさか維新の会所属の松本利明府議や民進党の森みどり前府議も追随。さらに前回2012年の市長選で敗れた桂睦子市議ら諸派や無所属市議も相次いで福岡氏支持を明らかにした。足立康史議員も中立を標榜していたが、福岡陣営にも為書きを寄せた。さらに福岡陣営の選挙はがきの推薦人にも名を連ねた。

しかしその一方で、民進党やおおさか維新の会の内部対立が広がった。大野ちか子市議(おおさか維新の会)など茨木青年会議所の役員にも木本支持派がいることから青年会議所も全面的に福岡氏支持でまとまりきれなかった。

共産党は元府職員で同党系の市民団体役員の末武和美氏(69)を擁立。共産党市議団のほか無所属の山下慶喜市議ら数名が支持に回った。

結果的にこの選挙は木本派と反木本派の感情的対立に過ぎなかったといえるであろう。共産党を除くとどの組織も一枚岩とは言えず、一般の市民からみえないところで展開された選挙だった。

福岡陣営はSNS等でポスターが500枚破られたと訴え、張り込みで犯人を捕まえたとしている。その犯人は対立陣営の運動員だったとしているが真偽のほどは明らかでない。選挙違反事案のため、これから公表される可能性がある。またSNS上では木本氏と足立議員が激しくやりあう場面もあった。

本来現職市長のスキャンダルに新人弁護士が挑むという構図は盛り上がるはずである。しかし各支援団体が股裂き状態になっていた上に、公にされるべき議論がほとんど表に出なかったことで一般の市民の関心は低かった。福岡氏というある意味落下傘ともいえる候補の知名度の低さも盛り上がりに欠けた要因といえよう。

1期4年の木本市政で駅前や市南部開発、市民会館建て替えなど多くの開発案件が浮上している。これらを推進するのか、またどのように軌道修正するのかを問われるべき選挙だった。それが政党や組織のパワーバランスで市民不在のまま議論が深まらなかったツケは大きい。

また内部分裂状態となったおおさか維新の会茨木支部や茨木青年会議所などには大きなシコリが残る。今後さまざまところで影響が出てくることになるだろう。

福岡氏、木本氏が激しく競り合う(22:30・開票率62.53%)


茨木市選挙管理委員会は午後10時30分現在の開票速報を発表した。開票率62%超で福岡氏と木本氏が激しく競り合う展開。得票総数46500(開票率62.53%)ふくおか洋一16000、末武和美14500、木本やすひら16000